こんにちは。
もたもたしている間に水曜日になってしまいましたが、皐月賞を回顧したいと思います。
桜花賞 本命◎アドマイヤミヤビ 2番人気 12着
皐月賞 本命◎カデナ 3番人気 9着
対抗○アウトライアーズ 7番人気 12着
・・・いきなりですが、これらは私がここ2週間で重い印を打ち、見事なまでに惨敗した馬たちです。
そして、何となく察しが付くかと思いますが、この3頭は昨年11月の500万下戦、百日草特別の1着・2着・3着馬でもあります。
(ちょうど上から百日草特別の着順どおりですね。)
様々なステップを経た馬たちの戦いとなる3歳クラシック路線においては、所謂「モノサシ馬」を決めて予想される方が多いかと思います。
私にとってこの世代のそれはアドマイヤミヤビであり、カデナでした。
この馬たちと好勝負できる能力があれば、世代の重賞戦線でも勝ち負けになる。
そんなニュアンスのものです。
実際、百日草特別でアドマイヤミヤビに敗れたカデナは次走の京都2歳Sを快勝。休養を挟んで久々の弥生賞も快勝。
3着のアウトライアーズも次走の500万下ひいらぎ賞を快勝。
さらにその時2着だったウインブライトもその後の500万下を楽勝し、スプリングSではウインブライト1着、アウトライアーズ2着という結果に。
この時までは、「信頼できるモノサシ」だと思っていましたが、いざGⅠに入ったら冒頭の通りです。。。
もちろんレースは生き物ですし、競馬はパズルのようには決まりません。
その時々の馬場コンディションや距離・コース、馬の体調、騎手同士の駆け引き等々で結果が大きく変わりますが、どう言えば良いのでしょう、今まで私が抱いていたこの世代に対するイメージを一度全てリセットしなければならない。
そう感じざるを得ないような3頭の負けかたでした。
もちろん、それは私個人の問題なのですが、波乱の桜花賞・皐月賞を受けて、同じような気持ちになったファンの方は多いのではないでしょうか。
ということで、前置きが長くなってしまいましたが、第77回皐月賞の回顧です。
まずはいつものように、全馬の着順から。
見事、池江厩舎のワン・ツーですね。
こちらの展望記事の中で、土曜競馬の馬場傾向から
「上がりも全体時計も速く、4コーナー5番手以内に取り付ける馬が勝つようなイメージ」
と見ていましたが、その点だけは当たっていましたね。
1000m通過は59.0秒と、レコード決着になった2013年(ロゴタイプの年)の58.0秒や昨年の58.4に比べれば遅かったにもかかわらず、勝ち時計はコースレコードタイの1分57秒8。
ハイレベル決戦だった昨年のタイムを上回り、もちろん皐月賞レコード。
1~4着馬は全て4コーナー5番手以内にいた馬ということで、後方勢には全く出番のない競馬となりました。
スタンド前右手から、69年ぶりの牝馬Vへ向けてファンディーナに注目が集まる中、まずは全馬揃ったスタートを切ります。
その⑧ファンディーナがややふらついたスタートから立て直して出を窺うところ、外から⑪アルアイン、さらに⑮アダムバローズと⑱トラストが勢いよくこれを交わす勢いで上がっていきます。
ファンディーナにとっては、思い切ってハナでも切るか、ここで上手く外目に持ち出すような選択肢もあったように思うのですが、岩田騎手は腹を括ったようにインコース寄りにポジションを取りながら1コーナーを目指します。
少し離れた5番手グループには思ったより行き脚が付かなかった⑯クリンチャーと⑩ダンビュライト、内からはスワーヴリチャードに⑨プラチナヴォイス。
差がなく外から⑰ウインブライトに⑫アメリカズカップなどが続いて1コーナーに入っていきました。
④カデナはスタート直後に③コマノインパルスにかなり寄せられたりしたのが響いたのか、1コーナーに入るときには後方2~3番手。そのちょっと前には⑦ペルシアンナイトで、この2頭は上手くポジションが取れずに位置が悪くなってしまったような印象でした。
後方一気がきかない馬場だというのは当然分かっていたでしょうから。
その逆に、後方2番手の⑤レイデオロと最後方の⑬サトノアレスは末脚勝負と決め打ちしたような乗り方で、折り合いに専念しています。
1~2コーナーを回って向こう正面に入るまでにはアダムバローズ - トラストの並びに落ち着き、ようやくクリンチャーも外から3番手に。
その後ろ、ちょうどファンディーナを内に押し込むような形で勝ったアルアインが好位を確保します。
最初からこの形を狙っていたわけではなさそうでしたが、結果を見てもファンディーナにとって最も苦しい形で、松山騎手のファインプレーだったと言えるのではないでしょうか。
レース中には気にも留めていなかったダンビュライトですが、実は向こう正面に入ったところでアルアインの直後に付け、前のクリンチャーをカベにしつつも外からの捲りには警戒する、絶妙のポジション取りをしていたのですね。
この動きを見て松山騎手はインに進路を取っており、もしも内の状態が悪ければ勝っていたのはこの馬だったかもしれません。
そして、向こう正面で動きがあります。「何となくポジションが悪くなってしまった」ように見えた2頭のうち、まずペルシアンナイトのデムーロ騎手が大きく開いたインから一気に先団に取り付いていき、この後を追うようにカデナの福永騎手も内からするすると上がっていきます。
これが良かったのかどうか。結果だけ見るとペルシアンナイトは2着だったので悪くはなかったのでしょうが。。。
カデナに関しては結局じっくり乗ったレイデオロにも先着されているわけで、まあその辺は馬に合う合わないというのもあったのかもしれませんね。
3~4コーナーにかけて、岩田騎手のファンディーナは早めに逃げ馬を捉えにかかり、外から先頭に立とうとする非常に積極的なレース。
そして、これも今見てみると、ダンビュライトの武豊騎手が外からこれをマークするように進出してきて直線を迎えます。
直線に入り、ファンディーナが一瞬先頭に立ちますが、内を掬うようにペルシアンナイトが伸びてきて、さらに4コーナー手前でいったん仕掛けを遅らせたアルアインがファンディーナの内から一気に先頭に躍り出ます。
ファンディーナを挟んだ外から伸びてきたダンビュライトと3頭の争いになりかけますが、ラスト100mで内の2頭が一気に離したのは、瞬発力の違いなのかインの馬場が良かったのか。
結局、最後までしっかり伸びたアルアインが先頭でゴール。松山騎手にとって嬉しいGⅠ初勝利がなんと牡馬クラシックの大舞台となりました。
ペルシアンナイトは惜しい2着でしたが、デムーロ騎手は「皐月賞男」の面目躍如といったところ。
向こう正面から3~4コーナーにかけての捌きが全てだったと言えますが、馬場状態とこの馬のスピード能力をフルに活かした好騎乗でした。
ダンビュライトに関しては、もう豊マジックとしか・・・。
正直私は3着候補としても挙げることができませんでした。
武豊騎手も、ダービーに直行するサトノアーサーの鞍上に、なんて噂もあったみたいですが、どうやらダービーでもダンビュライトとコンビを組むようですね。
4着にクリンチャーが残ったように、とにかく4コーナーで前にいないと勝負にならないレースでしたが、最後5着、6着まで追い込んできたレイデオロとスワーヴリチャードにとってはダービーにつながるレースでしたね。
特に年明け初戦というあからさまなダービー狙いローテで臨んだレイデオロは、このメンバーでは最もダービーに希望が持てる結果だったと言っても差し支えないでしょう。
そして、ファンディーナに関してはさすがに1番人気は可哀想でしたね。
初めて経験する厳しい流れの競馬にプレッシャーを掛けられる苦しい展開にもかかわらず、0.5差の7着に頑張ったのですから、胸を張って良いと思います。
追加登録料のことも考えると、賞金が入る7着という着順も良かったなぁなんて感じてしまいます(笑)。
この後は、やはりコメント通りダービーに向かうのでしょうか。
もちろんオーナーさんの意向が第一なのは重々承知していますが、なんだかムキになってませんかね・・・個人的にはオークスに出て牝馬の方を盛り上げて頂きたいなぁと思うのですが。
それに引き換え、カデナは・・・とにかくリセットです(笑)。
一つ言えるのは、このレースを勝ちに行くこともダービーへの試走として上手く使うことも出来なかったということ。
個人的には、皐月賞で結果を出すために向こう正面でペルシアンナイトに付いて行った判断は悪くなかったと思いますが、ちょっとダービーに向けては厳しい結果となってしまいました。
ところで、カデナの福永騎手をはじめとして、「今まで経験の無い速い馬場」を敗因に挙げている騎手が多かったですが、これって違和感を感じたのは私だけでしょうか。
馬場のことを言い出したら仕方が無いですし、土曜日からの流れで各ジョッキーも分かっていたはずなのに。
何となく昨年の高松宮記念のことを思い出したのですが、これは先週までと打って変わって高速馬場を「造って」きたJRAに対する不満を表したかったのではないかな、という印象を、私は受けました。
少なくとも騎手や関係者の間で大きな戸惑いがあったのは確かかなと。
憶測でものを言うのは良くないとは思うのですが、穿った見方をすれば「ファンディーナ用の馬場を造ってきたのでは」との声があがっても不思議は無いかなと思います(だとしたらその狙いは外れましたが)。
かつては、ゴールドシップが勝った天皇賞春の前日に散水したのではないか、なんて噂が出たこともありましたよね。
・・・まぁ我々ファンとしては、その辺も考慮に入れながら予想に反映させるしかないですね。
いずれにせよ、私の予想が外れたのがJRAのせいじゃないことだけは確かでございます(笑)。
「別路線組」を本命にできるような、柔軟な考え方が出来ない限り的中は難しい、そんな皐月賞でしたね。
これで、ダービーに向けた最重要トライアルが終了しました。
馬場特性も考慮に入れる必要はありますが、勝ったアルアインはもちろんのこと、レイデオロとスワーヴリチャードはやはり本番に向けて期待感を感じさせる内容だったという評価で良いでしょう。
上位3頭以下は本当に一団となってのゴールでしたから、それ以下の馬でも巻き返しは不可能ではないのではないかと思いますが、サトノアーサーや(青葉賞の結果次第ですが)アドミラブルなど、皐月賞組以外への注目度も高まりそうですね。
またまた池江厩舎なのか、藤沢調教師の悲願なるのか、はたまた。
「その日」に思いを馳せつつ、春のGⅠシリーズは一休みとなりますが、今週末からはいよいよ東京・京都開催がスタート。
GⅡ2レースに好メンバーが揃いそうですので、また頑張って予想していきたいと思います。
本日も、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。