人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

【重賞回顧】第65回クイーンS、第17回アイビスSD 横山典騎手らしい、華のある圧逃劇でした。

こんにちは。

 

函館・福島・中京から札幌・新潟・小倉へと、一気に開催が変わった先週末。

ここから6週間続く夏競馬後半戦のスタートだったわけですが、皆様如何でしたでしょうか。

 

私はいつも以上に最悪でしたが(T_T)、、、実は私、「開催替わり」があまり得意ではなくて、まぁ今回もダメだったか、という感じです。

頭では分かっているつもりでも、どこかに前の週までの感覚が残ってしまっていたり、復習したつもりでもその競馬場・コースの特徴を忘れてしまっていたり、皆様も多少なりとも経験ありませんか。

 

これって多分、騎手の人たちも同じような感覚あるんだろうなぁ、というのも昔からよく考えていることです。

仕掛けどころのタイミングやコーナーの傾斜、道中のアップダウンなど、例えば6週間福島だけで乗ってきた翌週に新潟で乗ったりすると、いくら頭で分かっていても、身体の感覚を戻すのにちょっと時間がかかったりするのではないかな、と。

 

いつかちゃんとデータ取って見たいなと思いながら(そんなデータの取り方できるのか分からないのですが)何もしていないのですが、ちょっと昔だと後藤騎手って「開催替わり」得意だったような気がしませんか。

普通はそんなこと気にしないのかもしれないですし、ただ単に私の思い過ごしなのかもしれないのですが、私はそんな気がしていて、良く開幕週に彼の騎乗馬を狙っていました。

積極的に勝ちに行く騎乗スタイルが、開幕週の馬場にフィットしやすいというのもあったのかもしれないですね。

 

まぁ良く考えたら夏競馬になってからほとんどまともな的中が無いわけで、開催替わりのせいにするなという話かもしれませんが・・・、久々に微妙な「小当たり」を出せた先週末の2重賞を振り返って行きたいと思います。

 

 

◆ 第65回クイーンS 回顧

 

まずは全馬の着順・着差からです。

 

 

 

 

2番人気のアエロリットが2014年にキャトルフィーユが作ったコースレコードに並ぶ1.45.7の好時計で快勝、と、この事実に違和感は無いのですが、その内容ですよね。

過去6戦、一度も逃げたことの無い同馬が、まさかの逃げ切り勝ち。それも道中は2番手以下を大きく引き離す大逃げの形。

やはり横山典騎手の騎乗は良くも悪くも意外性に溢れているなぁと改めて感じさせられましたが、スタートから振り返ります。

 

④クインズミラーグロと⑪ノットフォーマルが立ち遅れ、これが最初のポイントでしたね。

もともとスタートに難のある前者はともかくとして、逃げ宣言をしていた後者が出遅れ、行き脚も全く付きません。

 

その他の11頭は綺麗に揃ったスタートで、まず先行したのが内から②アエロリット、③シャルール、⑦ヤマカツグレース、⑧クロコスミア。

ノットフォーマルが行かなかったことでクロコスミア辺りが逃げるのかなと思いましたが、無理には行かないレースプランを変更しないことにしたのでしょう。結果的に逃げたアエロリット含め、積極的にハナを奪いに行こうというアクションを見せる騎手はいませんでした。

そうなると、1コーナーまでの距離が短い札幌芝1800mということで、枠なりにアエロリットがハナに、2番手シャルール、少し抑えたヤマカツを交わしてクロコスミアが3番手、といった隊列でコーナーに飛び込んでいきます。

 

最内の①トーセンビクトリーは先行各馬の直後、この時点では「3列目」のポケットを確保して、外からこれは以外でしたが⑨ラインハートと⑩パールコードも早めにポジションを確保しに動いてその外から交わすように進出。

クインズミラーグロは外の各馬が内に切れ込んでこなかったこともあり、何とかコーナーまでにリカバリーしてトーセンビクトリーの1列後ろのインを確保。

ベストの想定ではなかっただろうと思いますが、ここまでリカバリーできたのが、結果的に大きかったですね。

 

クインズミラーグロの外に⑬エテルナミノル、後方には内から⑤ハツガツオ、⑥マキシマムドパリ、⑫アドマイヤリード、⑪ノットフォーマル。

出遅れたにしてもその後全く行き脚が付かなかったノットフォーマルは、体調面に問題があったのか、去年も行けていなかったように馬場が合わなかったのか。

マキシマムドパリも、ジョッキーのコメントだと他が早くてポジションが取れなかった、とありましたが意外なほど後ろの位置取りになってしまいましたね。

 

アドマイヤリードは、小回りコースにアジャストした騎乗はしてきませんでしたね。

いつも通り、後方で折り合い重視の序盤戦でした。

 

逃げたアエロリットですが、前に馬がいないことで完全に馬の行く気に任せる競馬をしましたね。

気分良さそうに脚を伸ばして、見る間に後続との差を拡げていきます。

上記の通り、2ハロン目は良いとして3ハロン目以降も11秒台のラップを刻み続け、800mの通過が46.8秒、1000mが58.3ですから、いくら開幕週の平坦コースでもこれは明確に速いです。

 

私の目検ですが、800m地点で後続との差がちょうど1.0秒、1000m地点で1.2秒くらい。

後続グループを引っ張っていたのはシャルールで、さらに2~3馬身開けてヤマカツグレースとクロコスミアという隊列でしたから、実質的にはやや中だるみ気味で1000m通過が59.5秒くらいのミドルペースだったというイメージでしょうか。

 

横山典騎手が上手かったのはこの後、3~4コーナーにかけて先頭は11.9秒-12.1秒とここで一度息を入れます。

当然、目標が前にある後続馬群は一気に差を詰めにかかり、残り400m地点では0.4秒差まで迫っているので、恐らくこの間は11.7秒-11.5秒くらいのラップで来ているはずです。

 

ここからアエロリットはもう一度スパートに入り、ラストから2ハロン目が11.5秒。ここで勝負ありましたね。

最後も11.9秒でまとめて、後ろからは何も来れない、本当に完勝でした。

強い逃げ馬、それこそキタサンブラックやサイレンススズカのレースを見ているようだといったら言い過ぎかもしれませんが、このレースに関しては名手の手綱捌きが冴え渡りました。

お見事でしたね。

 

2着争いに話を戻すと、4コーナー手前でシャルールが苦しくなり、内からヤマカツグレース、その後ろからはトーセンビクトリーが追ってきて、クロコスミアとパールコードは外から、アドマイヤリードは大外を回して先頭まではかなり距離がある状況。

直線に入り、2番手ヤマカツの外に持ち出そうとしたトーセンビクトリーがシャルールと接触し、何頭か不利を受けたのはレースを見ていた時も気付きました。

なんかゴチャ付いたな、最近福永騎手は多いなと思ったのですが、この件は後ほど。

 

残り200m地点でトーセンビクトリーが2番手に上がり、3番手争いは先行していたクロコスミアの内を掬うようにしてクインズミラーグロが伸びてきます。

あとは外からエテルナミノル、後方から脚を伸ばしたアドマイヤリードなどが来ますが、これらは5、6着まで。

 

逃げたアエロリットは別としても、2、3着はインを通ってきた両馬で、外を回したアドマイヤリードは勝ち負けに加わるほどの脚は使えませんでした。

 

 

このレースに関しては、まずアエロリットの強さに驚かされました。

陣営のコメント通り、体重が増えて良いコンディションだったのもあるでしょうし、スピードタイプで洋芝はどうなんだろうと思っていたのですが、問題なし。

平坦小回りとはいえ、距離も右回りもクリアして、大逃げという今までに無いオプションまで手に入れました。

 

このレースができるのならば秋華賞も大丈夫ではとも思いますが、ちょっと気になったのは、直線、左手前で走る瞬間ってありましたか?

勝ったのだから恐らく手前はちゃんと替えたのだと思うのですが、VTRでは確認できませんでした。私の目がポンコツなだけかもしれませんが・・・。

その辺りが実はまだクリアされていないのであれば、厳しい競馬だとやはり右回りはダメなのかもしれません。

毎日王冠とか・・・見てみたいような気もしますけど、とにかく夢の膨らむ勝利でした。

 

2着はトーセンビクトリーで、これもインで良いポジションをキープして、直線上手く捌けていれば満点だったのですが、福永騎手は騎乗停止になってしまいました。

来週から新馬戦の予想どうすればいいんだよ、というのは置いておいても札幌リーディングを狙えそうな出だしだっただけに残念です。

コメントとパトロールビデオを総合すると、外に持ち出すときにヤマカツの後ろ脚に乗りかかりそうになり、馬が驚いて外に逃げてしまった感じでしょうか。

 

3着のクインズミラーグロは、前述の通り上手くリカバリーして好位をキープできた序盤が大きかったのと、展開的にインからスムーズに伸びれたのが良かったですね。

また、4着のクロコスミアも、展開を考えれば良く頑張ったと言えるでしょう。

 

問題はアドマイヤリードですが、小回り適性が無いのは戦前から分かっていたことで、もうちょっとコースにアジャストするような作戦は取れなかったのかなという気はします。

陣営のコメントにもあったとおり、距離や馬場も合わなくて動こうにも動けなかったということでしょうか。

 

私が本命に期待したパールコードは、10着。

休み明けが影響したか、馬場が合わなかったか、見せ場すら作れませんでしたね。なかなか本命馬のチョイスが上手く行きません・・・。

 

 

◆ 第17回アイビスサマーダッシュ 回顧

 

さて、もうひとつのGⅢ、アイビスサマーダッシュについても振り返ります。

同じく、全馬の着順・着差からです。

 

 

 

 

勝ったのは夏らしく7歳馬のラインミーティア。

上がり推定が31.6秒というのもすさまじいですが、さすがは千直職人、西田騎手ですね。

個人的には西田騎手が8枠に入ったのにどうしてこんなに人気が無いのかが不思議でしたが、まさか勝つとは。

 

スタートから振り返ると、絶好の大外枠に入った⑯アクティブミノルはやはり行く構えを見せ、⑩フィドゥーシアもダッシュ良く先行して早めに外ラチ沿いに馬を誘導。3歳牝馬⑭レジーナフォルテも軽量を活かして先行します。

⑥イオラニは、それほど行き脚が付かず、⑦シンボリデスコ、⑧ダンシングワンダー、⑨ネロ、⑪レヴァンテライオンに⑫レッドラウダなどが横に並ぶ展開で外に寄せることはできませんでした。

 

コース取りについて言えば、それにしても木幡巧也騎手は真っ直ぐ走らせ過ぎだろうとは思います。

序盤押さえて外に馬を持ち出すことに専念していた⑤アースエンジェルが結果5着まで差し込んできているように、やはりこのコースは距離ロスがあっても外に行かなければ上位には来れません。

イオラニ自体は私も無印ですしいずれにしても勝ち負けは難しい馬だったとは思いますが、気になったので。

 

ネロも本当はもう少し行きたかったのでしょうが、やはり久々&58キロがこたえましたか。

1、2枠の差し馬勢も外に馬を誘導しながら脚を溜める一方で、勝った⑮ラインミーティアはスタート直後から外ラチ沿いでじっと動かず。

やはり枠順による有利不利は大きいですよね。

 

ハロン棒などでペースを確認できない千直では、私は良くレースタイムの表示を見ながら観戦するのですが、西田騎手や村田騎手、デムーロ騎手など、このコースが上手な騎手は差し馬に乗っていても他馬よりちょっと遅め、30秒経過したくらい(残り450mくらいでしょうか)から追い始めるような気がします。

このレースのVTRを見ても、例えば先行したレッドラウダの大野騎手は24~5秒地点で既にムチを入れているのが確認できますが、西田騎手はかなり後ろにいるにも関わらず抑えたまま。

(厳密には、「抑えている」というのとは違うのでしょうが相対的な印象として。)

 

ちょうど30秒経過した頃に左ムチを一発、二発入れて、ここから追い出しに入ります。

前ではフィドゥーシアが後続を突き放して独走態勢に入り、2、3番手もレジーナフォルテ、アクティブミノルが粘りこみを図りますが、先述したアースエンジェルと併せるように、2頭が先行集団を追い上げます。

2枠2頭も後方から追い込みますが、これらはさすがに届かない位置で、内の各馬は苦しい体勢に。

 

あとはラインミーティアがどこまで追い込めるかだけの競馬になりますが、先行各馬の間を縫うように次々交わしさり、最後フィドゥーシアを交わしたところでゴール。

展開としては前に行った組が残る流れでしたが、お見事でした。

開幕週ということもあって、あまり各馬が外ラチに密集しなかったのもこの馬にとってラッキーでしたが、それにしても上がり31.6って。。。

 

 

 

2、3着は前に行って粘った2頭でしたが、フィドゥーシアは、もう認めざるを得ないですね。これも強かったです。

ちょっと強引に脚を使いながら外から3頭目の位置まで斜めに走っていて、ここで無理したのがラストに響きました。

改めてこのコースは枠順が大きいです。ただ、今後スプリント路線での活躍を期待せざるを得ない、そんな内容でした。

 

レジーナフォルテも軽量を活かして頑張りました。本当に今年の3歳牝馬は大活躍ですね。

人気しすぎではなかろうかとも思いましたが、期待して良かったです。

 

アクティブミノルは逆に、この枠でハナを主張するような作戦は無かったのかなと思いましたが、これも調子が本当に良いこと、前走がフロックではなかったことを示しました。

ただ、個人的には前半行けるだけ行って粘れるだけ粘るという競馬をして欲しかったです。何となく絶好枠を活かしきれなかった感があります。

 

本命にしたダンシングワンダーは、さすがに無理筋でしたかね。。。

もう少し先行して外ラチ沿いに付けられるかと思っていたのですがそれも叶わず、通ったコースも位置取りも中途半端なまま、見せ場なく終わってしまいました。

中内田厩舎としては千直適正があると見込んでこれだけ使っていると思いますので、個人的には出てくる限り追いかけたいと思っています。

 

そして、◎○▲☆の馬連とワイドのBOXを買っていたということで・・・非常にショボイのですが、⑭-⑮のワイド(ワイドでも2,440付きました)を的中。

こんな小さな当たりでも本当に久し振りだったので嬉しかったです。

これが切欠になってくれればよいのですが。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

ということで、ざっと振り返って参りました。

来週は3歳限定重賞のレパードSとサマー2000の小倉記念ですね。

1週間のルーティーンとして、日曜日の夜から月曜日の朝には先週のレースを見て、今週末の登録をチェックするのですが、指宿特別が35頭も登録されててすごいなあとか、エクレアスパークルは結局どうなってしまったんだろうというのが気になって全くチェックできていないものの、頑張って予想していきたいと思います。

(実は来週は2歳オープンも組まれていて、土曜の新潟、ダリア賞にタイセイプライドが出走を予定しています。デムーロ騎手も確保できているようですし、個人的には楽しみです。)

 

それでは、本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました。