人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

【重賞回顧】キーンランドC、新潟2歳S この秋も短距離路線は混沌としそうです。

こんばんは。

 

昨日と言うか今日というか。この土日に渡って開催されたWASJ。

この時期に札幌で開催されるようになって3年目となりましたが、まず未だに名前が変わったのに慣れないのと、ヨーロッパからトップジョッキーが参加しなくなってしまったのが残念だなというのは率直な感想としてあります。

 

ただ、現地はとても盛り上がっていたようですし、各ジョッキーのポイント争いから来る微妙な駆け引きや、一流ジョッキーに乗り替わった事による思いもかけない化学変化とも取れる人気薄の激走など、今年も存分に楽しむことが出来ました。

東京の人間としては、日頃から見る機会の多い南関東所属の中野省吾騎手、そして何と言っても美人女性ジョッキーのマリヨン騎手が上位に入れなかったのは残念でしたが、優勝したダシルヴァ騎手、とても嬉しそうで良かったですね。

 

結果的に最終レース、際どい勝負になったあの勝ち負けで優勝の行方が決まっていたわけで、なかなかにエキサイティングな展開でした。

初日は全く良いところがなかった武豊騎手が、最後にきっちり見せ場を作る辺り本当に流石だなぁと思いますね。

 

そして、日曜日のWASJ2レースに挟まれた形で行われたのがスプリンターズSのトライアルレース、キーンランドC。

早くも秋のGⅠの前哨戦かぁ、なんて思ってしまいますが、よく考えたら札幌・小倉・新潟の3場開催もあと1週間で終わり。気付けばもう夏競馬も終わりが近づいて来ました。

何だか残り僅かな夏休みを名残惜しく思う小学生のような感じで、変に焦った気持ちになってしまいますね。

 

今週末には夏競馬の終わりを彩る2歳Sふたつに新潟記念と3重賞が待っていますが、その前に先週の振り返りです。

久しぶりにこんな早いタイミングで回顧記事をアップできてなかなか良い感じですが、それぞれざっと、回顧していきたいと思います。

 

※予想記事は→こちら

 

 

 

第12回キーンランドC 回顧

 

まずは、全馬の着順、着差からです。

 

 

 

なんとなんと。

勝ったのは9歳馬、エポワス。折りに触れ、この元気な9歳馬については触れてきましたが、レースの主役としては正直考えていませんでしたし、直線でスルスルと抜け出してきた時には本当に驚きました。

前週札幌記念で2着に入った8歳馬、ナリタハリケーンに続いて夏競馬らしい高齢馬の活躍となりましたね。

 

このレース、スタートしてまず最初に驚いたのが、⑥ナックビーナスがまさかの逃げの手に出たこと。

⑪ソルヴェイグがやや躓き気味のスタートからすぐには行き脚がつかず、⑩シュウジも58キロが堪えたかいつものスタートダッシュが見られないところ、内からあっさりと先手を奪ってしまいます。

 

4番手には内から③ネロ、外⑫ライトフェアリー。

中団外には⑬メイソンジュニア、内②イッテツ、中⑨モンドキャンノなどが追走して、⑦フミノムーン、①ブランボヌールがその後ろ。

 

後方からは⑤ノボバカラ、④ヒルノデイバローに⑧エポワスが行って、前半3Fは33.5秒。

今の札幌の芝を考えればそこそこのペースで飛ばしていくと、内ラチ沿いにナックビーナス、馬場の真ん中にソルヴェイグと内外離れて直線に。

早々に後退していったシュウジを筆頭に、後続がなかなか差を詰めてこられず、そのまま2頭の追い比べが続きます。

 

残り100mほどで、後方から馬群を縫うように上がってきたエポワスが2頭の間から伸びてきて、あれよあれよと言う間に先頭に立ったところでゴール。

直線いっぱい使った2着争いは外のソルヴェイグが1/2馬身差で制し、ナックビーナスが粘って3着。

外から伸びてきた⑦フミノムーンは差し届かず4着、13番人気、ただ1頭離された人気薄だった⑫ライトフェアリーがその後ろ、5着に頑張って1番人気のモンドキャンノは結局6着。

外からじわじわと伸びたものの、勝ち負けまでには至りませんでした。

 

 

ということで、何とエポワスはこれが重賞初制覇・・・スプリンターズSも出るんでしょうかね。いやはや。

なんとなく停滞感・閉塞感のあるスプリント路線に新しい風が欲しいということで3歳馬中心に予想したわけですが、そっちかい、という予想のナナメ上を行く結果でございました。

 

まあスプリンターズSに向けてということで言えば、2着のソルヴェイグ、3着ナックビーナスは一応の格好は付けた形でしょうか。

ソルヴェイグは昨年もこのレース4着から本番3着と前進を見せましたし、ナックビーナスも本番は得意の中山コースですから、希望が見える結果だったと言えるでしょう。

特に繰り返しになりますが、ナックビーナスの逃げには驚きましたし、横山典騎手らしい、意外性のある好騎乗でしたね。

 

1番人気に支持されたモンドキャンノ、4番人気のメイソンジュニアの3歳馬2頭に対しては、新星登場への期待感プレミアムみたいなものも乗っかった人気だったのかなと思いますが、やや荷が重かったでしょうか。

2頭とも仕上がりは良さそうだっただけにちょっと残念でした。

 

前残りの流れの中、末脚が不発だった組はまぁ良いとして、昨年2着馬で3番人気のシュウジは大差の最下位と、ちょっとショッキングな結果となってしまいました。

「自分から走るのをやめてしまう」という話ですが、「症状」がどんどん酷くなっていて、これは相当時間が掛かりそうですね。

もっと言うと時間が、あるいは馬具・調教の工夫や去勢等何らかの物理的な対策が解決してくれるのなら良いのですが・・・まだ4歳ですし、何とかカムバックして欲しいものです。

(ちなみに①ブランボヌールは鼻出血だったみたいで、調子は良さそうだっただけに可哀想でした。。。)

 

ということで、スプリンターズSに向けてという観点では、どうでしょうかね・・・

一応、ナックビーナスとソルヴェイグが本番に向けてまずまずのスタートを切ったのでは、というまとめにさせて頂きます。

 

 

第37回 新潟2歳S 回顧

 

続きまして、新潟2歳Sの方を振り返ります。

同じく、全馬の着順からです。

 

 

 

今年の新潟2歳Sで特徴的だったのは、まさかの「前残り」だったということですね。

過去の傾向を見ても、スローペースで流れた上で、後方から豪快の追い込んできた馬が上位を独占するというのが概ねの傾向だったのですが、今年は4角1、2番手の2頭が2、1着。

予想記事でもちらっと触れたのですが、関屋記念と同じような結果となりました。

 

スタートから振り返ると、レース実況の「ほぼ揃ったスタート」という言葉に思わず「どこがやねん」と突っ込みたくなるような(笑)2歳Sらしいややバラけたスタートで、まず飛び出していったのが⑧フロンティアと大外⑮コーディエライト、さらに⑦マイネルサイルーン辺り。

内からは③テンクウも先行し、⑨フィルハーモニー、⑫キボウノダイチ、⑬シンデレラメイクなども先行馬群の中。

 

⑥プレトリアはその直後のインを追走して、以下①ムスコローソなど、ほぼ1団で各馬折り合いに専念しながらという感じでレースが淡々と進んでいきます。

逃げるコーディエライトは、ちょうど3コーナー手前、600m地点を36.6秒、その後3~4コーナーにかけての2ハロンを12.7 - 12.3と超スローに落として進めていきます。

土曜日とは異なり、特に内側はしっかりと乾いて時計もそれなりに出るコンディションでしたから、1600m戦で前半800m49.3、1000m1.01.6というのはいくら新潟芝マイルでも遅すぎましたね。

 

ここから、ヨーイドンで長い直線を一杯に使った追い比べになるわけですが、前に行った2頭が繰り出した上がり3ハロンが33.1秒(コーディエライト)に32.9秒(フロンティア)。

ラスト3Fのレースラップが11.4 - 10.4 - 11.2ですから、これは前にいなければ何も出来ません。

今までの傾向だと「後ろにいなければ勝負にならない」みたいな性質だったレースが、真逆の展開になってしまったわけで、騎手心理のアヤというのか、競馬の難しさを改めて感じました。

 

2番手に付けていた岩田騎手はその辺りの流れを感じ取っていたはずで、3コーナー3番手から残り800m地点で2番手に上がってコーディエライトを追っていき、ラスト600mを切った辺りで早くも先頭に並びかけて行きます。

ラスト400m地点では2頭の内から伸びてきたテンクウとほぼ横に並んだ叩き合いの形になり、ここからは4番手以下との差が広がっていく一方。

最後まで長く良い脚を使ったフロンティアが、この叩き合いを制して2連勝での重賞制覇。

 

その後ろも、最後まで粘りきったコーディエライトが2着を死守し、テンクウが3着。

4馬身離された4着には外から追い込んできた⑩エングローサーが入り、4番手から粘り込んだ⑫キボウノダイチが5着。

 

6着⑤オーデットエール、7着⑥プレトリアも後方から良く追い上げましたが、この流れではここまでが精一杯でした。

 

 

勝ったフロンティアについては、まず新馬戦では逃げて勝利していたのですが、好スタートからコーディエライトを行かせて、超スローの中しっかり2・3番手で折り合えたこと。

そして、直線早めに前を捕まえて伸びていくことのできる操縦性の高さ、レースセンスの良さが活かされたレースでしたね。

新馬戦の勝ち方自体はそこまで目立つものではなかったのですが、馬体重マイナス10kgが示すように、ここを目標にきっちり仕上げてきて、中身が違ったのでしょう。

 

このレース内容だと今後どうこうというのは言いづらいですが、新馬戦→GⅢの連勝は素晴らしいの一言で、ラストもまだ余裕が窺えましたし、必要以上に過小評価する必要もないのかなと思います。

中内田厩舎は昨年のヴゼットジョリーに続いて2年連続制覇ですか。

今年も2歳戦から活躍しており、ますます躍進していきそうな感じですね。

 

2着のコーディエライトについては、とにかく大外枠からすんなりハナに立てたのが良かったですね。

ひとつ内のダンツセイケイもスピードがありそうでどうなのかなと思っていたのですが、そっちは後手を踏んだこともあり、他馬と競り合うことなくスムーズに先手を取りきることが出来ました。

結果2着に負けはしましたが、津村騎手らしい好騎乗でした。

個人的には、大外枠じゃなければ本命にと考えていた馬だっただけに、何とも複雑な気分ですね・・・。

 

そして、この流れを考えると高く評価できるのが3着の③テンクウ。

予想の段階ではこの馬ももうちょっと前に付けるのかなと思ったのですが、マイネルサイルーンに前に入られて3列目インのポジションになると、コーナーではじっと脚を溜めて直線インを突く北村騎手らしい競馬でいつの間にか3番手に。

勝ったフロンティアが馬場の良い外目に持ち出し、これに併せるようにコーディエライトも外に行って内がぽっかり空いていたのもプラスに働きました。

ラスト400m地点で追いつきかけた時には勝ちパターンかなと思いましたが、ここから再び突き放した前2頭のしぶとさに負けた形ですね。4コーナーまでの位置取りが全てなレースでしたので、止むを得ないかなと思います。

 

上位3頭からは離されましたが、4着のエングローサー、6着オーデットエール、7着プレトリアも力は見せました。

あくまで流れが向かなかったということで、今後も世代の重賞でチャンスが来ることもあると思います。

 

馬券的には、軸を間違えたという一言に尽きますね・・・。

コーディエライトが大外に入ったことで、もうちょっと前半に脚を使わざるを得なくなる、ペースももう少し流れるという展開を予想していて、何だかんだ差し・追い込み馬が来るのではないかと考えてしまいました。

予想記事でも書いたように結構自信のある予想でしたし、印を打つ馬のチョイスは間違っていなかっただけに、悔しいです。

今週末の札幌・小倉両2歳Sで巻き返したいと思います!

 

 

ということで、明日から明後日の朝にかけて、土曜日の新馬戦の振り返りをする予定ですので、新馬戦に興味がある方も無い方も、またお読みいただけたら嬉しいです。

 

本日も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。