人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

2018年皐月賞の回顧 戸崎騎手、「神騎乗」で嬉しいクラシック初制覇。

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こんにちは、umassyです。

週明け早々から目が回るような忙しさで、もう追い切りが終わっちゃってるとか信じられないわけですが、皐月賞はぜひ回顧したいレースなので、今さらですが簡単に振り返りたいと思います。

まぁ馬券は大外しですしその事は忘れ去ってしまいたいのですが(笑)、流れがかなり独特というか、騎手心理などを想像するのに非常に興味深いレースでしたよね。

 

さて、そんな状況でtwitterも競馬ニュースもあまりチェックできていない今週なのですが、この件だけ、どうしても触れさせて下さい。

news.netkeiba.com

もしも、「落馬事故が起きたレースで若手のアンチャンが不服申立なんて、生意気じゃないか」などと思われている方がいらっしゃったら(そもそもこのレース若手騎手限定戦なんですが。笑)、是非JRAのホームページで採決パトロールを御覧ください。

(リンク入れようとしたんですが、やっぱりJRAのHPはうまく出来ない・・・)

・・・どのような感想を持たれますでしょうか。
少なくとも私はこのパトロール何十回見ても、どうして井上騎手の騎乗が原因で木幡初也騎手が落ちたのか、なぜ開催4日間の騎乗停止という処分が下されたのか、理解することは出来ませんでした。

 

これ以上の詳細なコメントは控えたいと思いますが、まず第一に不服申立をした事自体、素晴らしいことと思います。
100%棄却されることは本人も理解していたと思いますが、恐らく周囲の勧めもあったのでしょう。

私自身、この「不服申立て→棄却」の流れがなければ騎乗停止になったことにも気づかず、パトロールビデオも見ていなかったと思いますので、世間の目を向けさせた点を一番に評価したいです。
「どうせ申し立てしても覆らないから」と諦めるのではなく、不満があるならば声を上げるというのはとても正しい姿勢と感じます。

 

そして、これはもう何年も言われている事だと思うのですが、不透明極まりない裁決のプロセスや、何年たってもファンからのコンセンサスを得られない失格・降着のあり方含めた全体を、流石にもう見直す必要があるのではないでしょうか。

少なくとも、不服申立てという「形だけの」救済措置を用意しながら申し立て先が第三者ではないとか意味不明と言わざるを得ず、、、改善を強く望みたいですね、本当に。
何より、こういった事の積み重ねでファンが不信感を抱き、信頼を損なってしまうのが問題と考えるのですが、如何でしょう。

 

さて、冒頭から愚痴っぽい話になってしまい申し訳ございませんでした。。。
気持ちを切り替えて、皐月賞の回顧に参りましょう。

(展望記事はこちら↓)

(予想記事はこちら↓)

 

 

皐月賞2018 回顧

レース結果

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コメント


タイトルにも書いた通り、戸崎騎手が「神騎乗」とも呼べる好騎乗で波乱を演出した今年の皐月賞。
まぁ何でも「神」付けりゃいいみたいな風潮はダメなんでしょうが(笑)、その理由は後程。


午前中には雨が上がってしまい、想定していた重馬場にはなりませんでしたが、稍重でもやや時計が掛かる印象だったこの日の中山芝コースで、路盤改造後では最も遅い2.00.8という勝ちタイムになりました。

このレースで鍵を握ったのは、やはり展開でしたね。
逃げて結果を出してきていた馬が非常に多く、各陣営のコメントからもハイペースが予想されていたわけですが、まずハナを奪ったのは宣言通り⑥アイトーン。
抜群のスタートとは行きませんでしたが、出ムチを入れて200m地点では何とかハナに。

⑦エポカドーロはやはり渋った馬場が合っていたようで、非常に行きっぷりが良く、馬なりのままこれを追走。
外から⑩ジェネラーレウーノと⑯ジュンヴァルロが気合をつけながらアイトーンを追いかけていくと、すっと控えて離れた4番手の位置をキープします。

まず、このポジション取りが絶妙でしたね。

レース前の「無理してでも逃げる」趣旨の発言はやはり三味線だったわけですが・・・この後、前3頭が競り合うようにびゅんびゅん飛ばしていく一方で、4番手以降の13頭に関しては、実質的にエポカドーロがスローで逃げるような形になってしまいます。

 

先頭の通過タイムが800m47.0秒、1000m59.2秒ということで、これは言うまでもなく馬場を考えたら結構なハイペースだったわけですが、後ろはどうだったのでしょう?

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これは、先頭とエポカドーロとの差をハロンごとに取って、そこから逆算して後続馬群だけのレースペースを計算してみたものになります。
umassyがVTRを目視してスマホで取ったラップですので、大体ってコトで・・・)

 

1200m地点まではどんどん先頭との差が広がっていて、エポカドーロの通過タイムで見ると800mが48.8秒。1000mが61.2秒。

想像してみて下さい。

13頭立てと少頭数になってしまったGⅠレースで、時計がかかる馬場とはいえ1000m61.2秒のスローペース
上位人気の差し・追い込み馬は特に捲るような動きも見せず、逃げているのは前走GⅡで僅差の2着だった実力馬

この地点で勝負あり、だったかもしれませんね。

レース全体としては縦長で前が飛ばしている展開で、騎手の体内時計も狂いがちな時計のかかる馬場。
後続馬が全て戸崎騎手の術中にはまってしまったような印象を受けました。

そして、ここからの持っていきかたも上手かったですね。
ちょうど3コーナに入る辺り、1200m地点までは無理に前を追わず(さすがに前3頭は垂れるはず、と確信していたのでしょう)、ここからじわじわとペースを上げる(実質的な)ロンスパ合戦に持ち込んだのも勝因の1つだったと思います。

いくら実質スローで逃げていても、ラスト3ハロンの瞬発力勝負だと最後ステルヴィオ辺りに交わされそうで怖いですし、逆に前で頑張っていたジェネラーレウーノに押し切られてしまったかもしれません。

コーナーでしっかり加速出来ることも小倉→中山と乗ってきた過去2走で確かめられていたでしょうし、とにかくこの馬に関しては戸崎騎手と手が合うというのもあるのでしょう。

スパートのタイミングから何から、全て完璧に嵌った快勝だったと思います。

 

2着は「実質3番手」から早目にエポカドーロを追いかけていった⑭サンリヴァルで、これも素晴らしい好騎乗でしたね。
外枠から他の逃げ・先行各馬の出方を見ながら進められたのも良かったのでしょうが、非常に上手く立ち回った印象です。
サンリヴァルが楽に行っていたのと、地力でもやや劣るため交わすまでは行きませんでしたが、弥生賞で先着を許した2頭を抑えたのですから上出来でしょう。

 

そして、このレース最も驚いたのは3着のジェネラーレウーノ。
あれだけのハイペースに付いていきながら、4コーナーの手応えを見たら勝ってしまうんじゃないかというほど。
最後さすがにバテてしまいましたが、それでも馬券圏内を確保した素晴らしい粘りでした。

 

 

このレース、人気薄の逃げ・先行馬同士で決まったという意味ではヴィクトリーとサンツェッペリンで決まった2007年の皐月賞を思い出された方も多いですよね。
私は馬群が大きく2つに別れて、人気の差し・追い込み馬が後方で牽制してしまったという意味で2009年のエリザベス女王杯を思い出してしまったのですが、いずれにしても。

「差し遅れて前に届かなかった人気馬」、フサイチホウオー或いはブエナビスタがこのレースではステルヴィオ、キタノコマンドールの2頭だったということでしょうか。
(恐らく)苦手な馬場状態でそれでもキッチリ馬券圏内に迫る末脚を見せたステルヴィオも、まだ見るからに未完成な中で3~4コーナーでの加速はさすがに見どころがあったキタノコマンドールも、それなりに力は見せた4・5着でしたが、それに引きかえ。

最終的には1番人気に支持されていた我が本命馬②ワグネリアンは・・・
内枠を引いた時点で厳しいなぁというのは私も再三触れてきましたが、福永騎手の中ではもう、「いったん下げて、外に出す」ことしか無かったのですかね。
スタートはもしかしたら1番かもしれないくらい良かったのですが、そこから馬を外に誘導しつつ、抑える抑える。

1コーナー入り口ではそれでもまだ真ん中辺りにいたはずなのですが、向正面で画面に映ったときには後ろから3番手辺り、出遅れた③ジャンダルムにも内から交わされて・・・一瞬目を疑いました。。。

もう、コーナーで加速できないことは弥生賞で分かっていたわけで、もしかしたらここから一気にエポカドーロの辺りまで加速していって「スワーヴリチャードる」のか??と思いきや、そのまま後方のままで。
直線では外から勢いをつけて上がってきたミルコ騎手に被されて苦しいポジションになってしまい、6着のグレイルからは離された7着まで上がるのが精一杯とは。
負けるにしてももうちょっと光が見えるような内容を期待していたのですが、、、これだとダービーで本命にすることはないかなぁというのが率直な感想ですね。

 

そのダービーに向けて、という意味で最も大きかったのが5着に入ったキタノコマンドールでしょう。
逆に、これが権利取れてなかったりしたら、ワグネリアンにミルコが乗ってくれるかも、なんてスケベ心も出てきたのですが(笑)、また結構人気しそうですね。

個人的には、あのコーナリングの巧さと加速力を活かすには大箱2400mでは無いのかなぁという気もしなくはないのですが、さらなる成長も期待できるでしょうし、有力馬の1頭ではあるでしょう。

 

あとは、前述の通り見方によっては1番強い競馬をしたジェネラーレウーノも、昨年のスワーヴリチャード同様にいかにもダービー狙いのローテで、上位に入った馬の中ではこの2頭でしょうか。

勝ったエポカドーロは・・・どうなんでしょう。
未だにオルフェーヴル産駒がつかみきれていないので何とも言えないのですが、普通に考えたら距離延長も全く問題ないとは思いますが・・・
現時点では保留ということで。。。

 

あと個人的には、ジャンダルムも折り合いに不安がないタイプでスローペースになりやすいダービーも意外と向くような気がしています。
出遅れたにしてもちょっと負け過ぎなのは気になりますが、人気もガタ落ちでしょうし、引き続き武豊騎手が乗るようならちょっと怖い1頭です。

 

あとはダノンプレミアムが万全の状態に戻って、ブラストワンピースや青葉賞組が入って。。。ワグネリアンにも一縷の望みは残したいと思いますが、どうなりますか。

 

 

さて、冒頭に書いた通り、既に今週末の出走馬も確定してしまっている木曜日の夜なわけですが、今週末はGⅠもひと休み。

 

オークスや安田記念に向けた楽しみな重賞もありますが、ちょっと肩の力を抜きつつ、また予想して参りたいと思います。

 

それでは、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。