人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

【回顧】第12回ヴィクトリアマイル 名手のエスコートで初重賞制覇=GⅠ勝利!

おはようございます。

 

昨日、ヤマニンゼファーが死亡したという記事が出ていましたね。

田中勝春騎手と柴田善臣騎手のコメントも出されていましたが、第108回天皇賞(秋)でのセキテイリュウオーとヤマニンゼファーの叩きあい、懐かしいですね。

両騎手に初GⅠをプレゼントしたゼファーを巡るドラマは、競馬史の1ページにしっかりと刻まれて、未だ変わらぬ輝きを放っています。

 

まだ生きていた事自体驚きましたが、29歳で老衰ということですから大往生ですね。

長い間、お疲れ様でした。

 

 

さて、また少し空いてしまいましたが、ヴィクトリアマイルの回顧をしたいと思います。

まずは全馬の着順・着差からです。

 

 

 

 

無印2頭での決着という、予想的には完敗に終わったこのレース、やはり馬場状態の影響を強く受けることとなりました。

「時計のかかる良馬場か稍重」というのは多くの方が予想したとおりだったかと思うのですが、「内が乾いて伸びる馬場」にはならず、実質的な外差し馬場で、全馬がインコースを大きく開けて回ってくるかなり特殊な馬場状態になってしまいました。

私が戦前に予想していたのとは違う理由で、外枠の各馬には非常に厳しい展開となってしまいましたね。

 

スタートから振り返ると、横一線のキレイなスタートから④ソルヴェイグがすんなり先手を取り、⑥アスカビレンと内から②スマートレイアーも馬なりで先行態勢。

200m地点辺りで外から⑰リーサルウェポンが押して2番手に上がり、⑭レッツゴードンキも3~4番手の外まで押し上げます。

やはりメンバーを考えて前に付けてはきましたが、さすがに逃げはしませんでしたね。

 

③ジュールポレールは思っていたより後ろの7番手辺り、その外に⑪ミッキークイーンがやはり中団の良いポジションに付けます。

⑧クイーンズリングも馬場を気にしたかあまり前に行けずにその後ろ、9番手のイン。

ミッキークイーンと軽く接触でもしたか、スタート直後に手綱を引っ張っていた⑩デンコウアンジュは11番手当たり、勝った⑤アドマイヤリードは12番手辺りのインで⑦ルージュバックは後ろから3~4頭目を追走。

 

ちょうど、ソルヴェイグが入っていた④番ゲートが最内枠であるかのように、全馬が外寄りに進路を取りながら3コーナーを目指していきます。

面白かったのはこの後4コーナーにかけての進路取り。

 

そのまま外目を回ってくる馬が多い中、スマートレイアーの武豊騎手は比較的内を回しながら直線入り口で一気に馬場の真ん中に馬を誘導。

クイーンズリングのデムーロ騎手とアドマイヤリードのルメール騎手も、ポッカリ空いたインを突いてポジションを押し上げ、直線ではスマートレイアーの直後、やや内側に付けます。

馬の特性もあるのでしょうし、最終的な結果はまた別ですが、この辺が名手の名手たる所以なのでしょうね。

 

一方、外を回された各馬は距離ロスを余儀なくされた上に、ミッキークイーンの浜中騎手が4コーナーで外のデンコウアンジュを弾くように回って来たことで過怠金3万円を科されたように、インがポッカリ空いた一方で外がごちゃつくという、およそ通常のレースでは考えられないような状況が生まれてしまいました。

 

前半3F35.6、4F47.9というペースをどう評価するかは、コース取りと馬場状態が特殊すぎてなかなか難しいところですが、馬群もそれほど縦長になっておらず、結果的にデンコウアンジュ以外の上位馬は直線入り口で前の方に付けられた馬が占めていますので、基本スローだったと考えて良いのでしょう。

その中で、素晴らしい瞬発力を発揮したのが上位2頭。

 

逃げたソルヴェイグが必死に粘り込みを図り、内からスマートレイアーが懸命に追い上げるところ、2頭の間からアドマイヤリードが、勢い良く伸びてきます。

ソルヴェイグがスマートレイアーに馬体を寄せるように内に切れ込もうとしているところ、狭くなりかけた隙間をこじ開けるように素晴らしい脚とド根性を見せます。

(実際、パトロールビデオで見る限り、ソルヴェイグともスマートレイアーとも接触しながら伸びてきているように見えます。。。)

 

2着争いは、内からもう一度スマートレイアーが伸びようとしますが、大外からデンコウアンジュが良く伸びて2着に上がったところでゴール。

3着~5着は横一線でしたが、早めに先頭に立った順に力尽きてしまった感じでしたね。

 

勝ったアドマイヤリードに関しては、とにかく完璧なレース運び。

心配されていた馬体減もなく、この力の要る馬場で他馬とぶつかりながら力強く伸びてくるのですから、本当に成長しました。

2歳時から期待されていた素質馬が、ここに来て一気にパワーアップした印象で、これからますます楽しみです。

 

「アドマイヤ軍団」としては2008年天皇賞(春)のアドマイヤジュピタ以来9年ぶりのGⅠですか。

条件戦から一気に登り詰めてきたわけですから、しばらくゆっくり休んで欲しいと思います。

 

そして、ある意味これを超えるインパクトを与えたのが2着のデンコウアンジュ。

こちらも不利を受けながらメンバー最速の上がり33.2をマークしました。

見方によっては最も強い競馬をしたわけで、これは恐れ入りました。

 

アドマイヤリードについては、不安要素を重視して意図的に「切った」のでまだ良いのですが(良くないけど。)、この馬に関しては全くのノーマークでした。

確かに思い起こせば2歳時にこの府中マイルであのメジャーエンブレムを下しているのですが、馬券に絡んだのがその時以来、3歳クラシックも出ていただけの印象。

これが逃げ・先行馬だったら人気薄を気紛れに抑えたりすることもあるかもしれませんが、まあ私には仮にアドマイヤリードから行っていても買えなかったなぁというのが正直な感想です。

 

今後、府中のマイル戦ではどんなに人気薄でも押さえるようにします。。。

 

3着に入ったジュールポレール、私の本命だった4着のスマートレイアー、さらには5着のソルヴェイグ、これらに関しては内枠でスムーズに前に付けられたことが好走の要因。

スマートレイアーはこうしてVTRを見返していても2着はあったんじゃないかという感じで惜しかったですが、7歳馬で良く頑張ったと言えるでしょう。

あまり切れる脚を使えるタイプではなく、持ち時計上位だったようにもう少し馬場が回復していれば、というところでしょうか。

 

そして、何ともショックだったのがミッキークイーンの7着。

もちろん外目を回されたこともあるでしょうが、自分より後ろにいた(しかも不利を与えた)デンコウアンジュが2着しているのですから、言い訳にはならないところ。

前走重馬場で快勝したことが、「馬場が渋っても大丈夫」という安心感に繋がりさらに人気を集めたと思うのですが、その疲れが残ってしまったのか。。。いやはや競馬は難しいですね。

 

 

いずれにしても、予想はかすりもしなかった訳ですが、今週末からはいよいよオークス、ダービーと続きます。

今週中にオークスの展望記事はアップする予定なので、気を取り直して頑張りたいと思います。

 

本日も、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。