人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

【重賞回顧】第67回菊花賞 死闘の末に勝ち取った素晴らしい勝利でした。

こんにちは。

 

台風一過、と呼ぶには何とも微妙な曇り空ですが、ともあれ久々に洗濯物を外で干せそうな東京地方。

台風の接近に伴って午前中休みにしていたため、起きた時には既に通過してしまっていて何となく得した気分ですが、この時間を利用して菊花賞の回顧をして参りたいと思います。

 

今日のタイトルの通り、まさしく「死闘」と呼ぶに相応しいレースとなった今年の菊花賞。

田んぼのような馬場状態の中、死力を振り絞って3000m(いや、内を大きく開けて回っていましたので、もっと長い距離だったでしょうね。)を走りきった全馬・全騎手に「お疲れ様」と声をかけたくなるような、そんな一戦でしたね。

 

予想記事でも3分10秒を超えても驚かないと書いたのですが、勝ち時計の3分18秒9はグレード制導入後最も遅いタイム。

素晴らしい切れ味で差し切ったように見えたキセキの上がり3ハロンが39.6秒ですから、、、、何とも凄まじいレースになりました。

 

早速スタートから振り返って参りましょう。

なお、土曜日はバタバタして単独の予想記事は上げられなかったのですが、富士Sについても最後に軽く振り返ります。

 

※菊花賞の予想記事は→こちら

 

 

第78回菊花賞 回顧

 

まずはいつものように、全馬の着順・着差からです。

 

 

 

穴があったら入りたい、とはこのことでしょうか・・・。

 

本命にした10番人気のクリンチャーが2着に入り、1着は見事1番人気に応えた形のキセキ。

これで例えば相手本線にキセキを選んでいれば、まぁ1着2着逆ではありますが、大威張りできる予想だったでしょう。

 

仮にキセキは押さえに回してしまっていても、2頭の馬連は万馬券ですしまぁ悪くない予想です。。。が、痛恨の「抜け」。

穴馬から入り、格好つけて1番人気を消しておきながら勝たれてしまう・・・本当に情けないお話でございます。。。

 

 

・・・と、のっけから皆様には何の関係もない個人的な馬券の話で大変申し訳ございません。

穴狙いで行っておきながらポポカテペトルには印が回っていないし、本当に酷い予想だなぁと思いまして。。。

 

 

さて、気を取り直してスタートからです。

 

一番良いスタートを切ったのが逃げると見られていた②ウインガナドル、一方外の方で⑰プラチナヴォイスが大きく出遅れ。

その他の各馬も①ブレスジャーニー、⑧サトノアーサー、⑫ミッキースワロー辺りがやや立ち遅れ気味でちょっとバラバラっとしたスタートでしたね。

 

そんな中、すんなりハナに立ったウインガナドルの後ろに付けたのが⑦アダムバローズ、⑩ベストアプローチに内から③スティッフェリオ。

アダムバローズは逃げ馬候補の1頭でしたが、競りかけることもなくすんなり隊列が決まった雰囲気で1週目の3~4コーナーへ。

 

3列目が内から⑤トリコロールブルー、⑪サトノクロニクル、⑮ダンビュライトの3頭ですが、この外から⑱マイスタイルが勢い良く先頭目掛けて捲るように上がっていきます。

⑭ポポカテペトルにその外⑯アルアイン辺りも何とか折り合いをつけながら中団のいい位置を確保し、⑨クリノヤマトノオー、⑫ミッキースワローも中団追走。

スタートがあまり良くなかった④クリンチャーも、一旦無理せず中団やや後方のインで最初のコーナーを迎えます。

 

あとは⑬キセキはいつものように後方待機、⑥マイネルヴンシュも内でじっくり脚を溜めるような走り。

出遅れたサトノアーサー、ブレスジャーニーにプラチナヴォイスもこの距離ですからまずは焦らず後方待機。

 

各馬大きくインコースを開けながら1周めのホームストレッチに入ってきますが、ここで外から掛かり気味にマイスタイルがハナを奪う形になり、外から来られた時にウインガナドルもちょっと折り合いを欠いてしまいます。

ウインンガナドルにとってはここが最大の誤算でしたね。

津村騎手のコメントを見ても、ここからリズムが完全に崩れてしまったようです。

 

さて、我が本命馬クリンチャーですが、ややスタートが悪く、リカバリーする余裕もないまま1周目の3~4コーナーに入ってしまい、ちょっと想定外の序盤戦になってしまいました。

もともとこの日のレースを見ていて、芝コースは内が相当荒れてしまい、枠順発表時は有利と思った内枠が逆に厳しい状態だなぁと感じていたので、ちょっと駄目かもしれないなぁと観念しかけました。

 

ただ、馬群が縦に長く、バラけた展開が幸いしたか、ホームストレッチで外に出して、中団まで押し上げて行くことに成功します。

これは藤岡佑介騎手の好判断、好騎乗でしたね。

前半レースを引っ張っていた馬から脱落していく消耗戦の様相となったレース展開とも相俟って、この中団外目から進出していくという結果としてベストな形を取ることが出来ました。

 

もうレースラップとか1000m通過タイムとか見ても全く意味がないレベルの極悪馬場だったわけですが、前半1000mは1分4秒1、2000m通過が2分12秒9(この間のラップが1分8秒8ということですね)。

一番遅いところのラップで1ハロン14.3とか14.5とかです。。。

 

ただ、ここでラップが緩むのは戦前の予想通りで、ここで馬群が一気に凝縮します。

向こう正面に入ってから先頭が再びウインガナドルに変わったり、ちょっとしたポジションの入れ替わりはありましたが、基本的には各馬折り合いに専念しながら進めていきます。

 

私はどうしてもクリンチャー中心に見てしまうのですが、かなり早いタイミング、まだ坂の上りに入ったばかりの残り1200m地点辺りから徐々にポジションを上げていくと、後方からミッキースワロー、キセキ、マイネルヴンシュ辺りもいつでも動ける外目のポジションを確保しつつ、徐々に進出を開始していきます。

2周目の坂の下りで早くもウインガナドルが苦しくなってくると、外からアダムバローズにベストアプローチが一瞬前に出るもすぐにまた苦しくなってしまい、外からダンビュライト、そのさらに外からはクリンチャーが進出する目まぐるしい展開に。

 

ダンビュライトの直後にはポポカテポトル、クリンチャーの後ろにもアルアイン、ミッキースワローにさらにその後方からキセキといった有力各馬も先頭を射程に捉える位置まで上がってきていて、もうこの時点でこれは凄いレースになったという感じがしましたね。

 

 

馬場の内から中ほどにかけては本当に馬場が悪かったのでしょう。

かなり外を回ってダンビュライトが先頭で4コーナーを回リ切り、その外からクリンチャーが並びかけるようにして直線に入ります。

 

 

直線に入って一気にクリンチャーが先頭に躍り出て、粘り込みを図るまさに私が思い描いていた形に。

ダンビュライトの内にコースを取ったポポカテペトルがこれを追い、外からはアルアイン、ミッキースワロー、キセキの人気3頭が差してくる、これまた予想記事で想定していたとおりの展開になります。

 

ただ、外の3頭の中では私の対抗馬アルアインが最初に苦しくなったか後退してしまい、ラスト200m地点の辺りで一度ミッキースワローが先頭に並びかける所まで来ますが、結局これも頑張りはここまで。

替わって大外からキセキが前に迫り、内ではポポカテペトル、ダンビュライトとクリンチャーが激しい競り合いを繰り広げます。

 

残り100m~150mくらいでダンビュライトが脱落すると残り3頭の争いになり、最後の最後に脚を残していたキセキが一気に2馬身突き放したところがゴール。

最後の力を振り絞った2着争いはクリンチャーがハナ差凌ぎ、最後の最後、勝負が終わった後に突っ込んできたマイネルヴンシュがダンビュライトを交わして4着に入りました。

 

 

いやぁ、こうしてVTRを見ながら書いているだけでも気がつくと肩がこわばってしまうような、本当に手に汗握る熱戦、死闘でしたね。

芝のレースで直線水煙が上がるというのも珍しいですが、ここまでの馬場になったらどんなに道悪が得意な馬でも歓迎なわけはなく、最後はスタミナと底力、限界を超えた後の精神力が試されるような、そんなレースでした。

こうして振り返ってみても、力尽きた馬から1頭ずつ脱落していった様子がよく分かりますし、スローの瞬発力勝負を3レース走りきったのと同じくらいのタフさだったのではないでしょうか。

 

皆様同じご意見も良く目にしますが、今年ばかりは3歳馬の有馬記念挑戦は控えて頂き、来春までゆっくりと疲れを癒やして欲しいと切に願います・・・。

 

 

そして、そんな極限の闘いを見事制したキセキ。

前走のマイナス体重などに触れ、このタフなレースを走りきる「お釣り」はないのではないかという見立てだったのですが、御見逸れしましたとしか言いようがないですね。

これだけのタフなレースで、ラスト200mからさらに伸びて2馬身差の勝利。

デムーロ騎手の口からも「楽勝だった」という言葉が出たように、本当に素晴らしい勝利でした。

 

以前も新馬戦の記事で触れたことがあるように、ルーラーシップ×ディープ牝馬のこの血統に3文字のセンスが良い馬名。

 

そう。本当はとても好きな馬なんです。なんで馬券買ってなかったんだろう(しつこいですね。笑)。

 

昨日の記事でも「まるでヨーロッパの競馬のような」という表現を使いましたが、こんな馬場への適正を図る機会は滅多に無く、外野の勝手な意見ながら、この馬なら凱旋門賞でも・・・なんて夢想してしまったりもします。

 

入線後にスローダウンする際、やや走りのバランスを崩しているように見えた時には昨年の宝塚記念の悪夢が一瞬よぎったりもしましたが、とにかく怪我なく、これだけのレースの後ですから疲れをしっかり取って。

来年以降も「奇跡」の続きを見させてもらいたいなと思います。

 

そしてそして、個人的には2着を死守してくれたクリンチャー。

もはや私にとっては2着でも3着でもどちらでも良かったのですが、直線先頭で入ってきたときからなんだか涙が出そうになる、そんな感動すら覚える走りでした。

個人的には藤岡佑介騎手とのコンビで、いつか大きいところを獲って欲しいなぁと思います。

 

結果論として外枠に入ったほうが良かったというのが何とも皮肉ですが、見込んでいた通り、早め先頭から粘り込んでスタミナ勝負に持ち込めればしぶといところを見せてくれましたし、そんな彼の特徴を最大限に引き出した藤岡佑介騎手も、繰り返しになりますが好騎乗でした。

 

そして、3着に入ったポポカテペトルには驚きましたよね。

私は「前走1000万下で出走する権利を得た馬たち」ということで一括りにしてしまっていたのですが、良く見たら友道厩舎ですし、良く見たら1000万下勝った後にトライアル使わず短期放牧で仕上げ直しての挑戦。

外厩情報とか活用されている方は、多分押さえられた馬だったのでしょうね。

私は全くの盲点になってしまっていて、冒頭でも言いましたが穴狙いなのにこうゆう馬を見抜けないというのが何とも詰めが甘いというか・・・逆に買えた方は凄いなぁと素直に思います。

 

前半やや掛かり気味だったこと、ダンビュライトの外に出せずに上位馬の中では一番内を通らざるを得なかったことを考えれば、本当にこの馬も無尽蔵のスタミナを持っていますね。

まだまだこれからの馬だと思いますので、今後中・長距離路線で楽しみな1頭が出てきました。

 

マイネルヴンシュはやや勝負が終わった後に突っ込んできた感がありますが、これもスタミナがあることろは示してくれましたし、ダンビュライトも早め先頭から積極的な競馬。

本来は距離適性が無かったであろうミッキースワローやアルアインの上位人気馬もそれぞれに見せ場を作る意地を見せてくれて、「弱い3歳牡馬」と言われ続けてきた、そしてダービー上位馬不在で不安視された一戦でしたが、期待以上の好レースでした。

 

個人的に「弱い世代」というのはその通りかなと思って入るのですが、レイデオロやキセキの今後の成長次第では、この世代の牡馬も十分に存在感を示していけるのかな、とそんな風に感じています。

 

 

さてさて、本当は富士Sの回顧もしたかったのですが、菊花賞で盛り上がりすぎてしまいました(笑)。

結果の表だけ貼り付けておきますが、予想記事でも触れたようにどうしても賞金がほしいエアスピネルにとって、1着での賞金加算できたことは本当に良かったですね。

 

非常に堅い、イスラボニータが盤石であることが確認できただけのレースでしたので、まぁ良いでしょう。

 

 

 

 

それでは、今週はお天気が続くようですので、少しでも馬場が回復しますように。

JRAさんの頑張りにも期待したいと思います。

 

今週末は豪華メンバーが集まる天皇賞(秋)。

また1週間、頑張って予想して参りたいと思います。

(今度こそ、気持ちよく当てたいと思いますので・・・)また週中の展望記事等、お読みいただけたら嬉しいです。

 

本日も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。