こんにちは。
2日空いてしまい今さらではありますが、先週末の重賞レースを回顧したいと思います。
先週は土曜日に東京競馬場で東京スポーツ杯2歳Sが、日曜日に京都競馬場でGⅠマイルチャンピオンシップが行われました。
土曜日は来年のクラシックに向けてワグネリアンがその強さを見せつけるような完勝、日曜日はミルコ・デムーロ騎手がまたまたGⅠ勝利。
2レースのみですが、非常に内容の濃い週末となりました。
マイルCSではミルコ騎手もさることながら、3歳馬が1、3、4着に4歳馬エアスピネルが2着と、この路線の「世代交代」を感じさせられるような結果になりましたが、早速そのマイルCSから、振り返って参りましょう。
第34回マイルCS 回顧
まずは、全馬の着順、着差からです。
日曜日は結局ブログに予想記事をアップすることができず、twitterのみの発信になってしまいましたが、「流石に今週は厳しいだろう」、ということで、穴人気にもなっていましたしペルシアンナイトは無印にしてしまいました。。。
冒頭で「世代交代」に触れましたが、実はこのマイル路線、現6歳世代が非常に強かったんですよね。
昨年引退したモーリスを筆頭に、昨年のマイルCSで上位を独占したミッキーアイル、イスラボニータにネオリアリズム。
さらには今年の安田記念を制したサトノアラジンに、3着レッドファルクス。
非常に層が厚く、その下の代は全く馬券に絡めていなかったので、その辺りも1つのポイントとして注目していましたが、勝ったのは3歳馬のペルシアンナイト。
世代のカベも「3歳馬不利」のデータ(過去10年【0-0-1-30】)も打ち破る勝利で、とてもフレッシュな上位勢となりましたが、スタートから振り返って参りましょう。
キレイに揃ったスタートから、まずは⑮ムーンクレスト、⑨レーヌミノル、⑥ダノンメジャー辺りが出を窺いますが、ややモタつきながらも⑧マルターズアポジーが予想通り先頭に立ち、内から③ヤングマンパワーもこれを追います。
3番手の外にダノンメジャー、その後ろに②アメリカズカップ、レーヌミノル、ムーンクレストに⑯ウインガニオンと4頭が追走。
中団を引っ張るような位置に⑪エアスピネルと、今回エアスピネルを降ろされた形になった武豊騎手の⑰ジョーストリクトリ。
ちょっと話は逸れてしまいますが、この乗り替わりにも驚かされましたよね。
気持ちとしては複雑な部分もありますが、週中にtwitterで呟いたように、私はこの決断は陣営の英断と評価していました。
率直に言って、ケガから明けたばかりで日曜2鞍しか乗れず、翌週にキタサンブラックでの大一番が控えている武豊騎手を買う気には到底なれない状況で、そのままならエアスピネルは「消し」の予定でした。
それでも乗り替わりはマイナスでしょうから非常に難しい判断だったかと思いますが、勝ちに拘る強い意志を感じられ、私は良いと思いました。
さて、話を戻すと、エアスピネルの後ろ、中団やや後方に内④サングレーザー、外⑫イスラボニータ。
少し離れてこれらをマークするような位置に⑦レッドファルクス、その外に⑩クルーガー。
さらに後ろに⑭ガリバルディ、⑬グランシルクに⑱ペルシアンナイト。
後ろから2頭目が⑤サトノアラジンで、最後方が①ブラックムーン。
サトノアラジンはやはり内枠を引いてしまったのもあり、一旦下げてから外を回す選択をしたようです。
また、こうして見るとペルシアンナイトは序盤ずいぶん後ろからレースを進めていましたね。
レースラップは前半800mが46.7秒と、昨年のミッキーアイルのペース(46.1秒)よりは遅かったですが、今の京都ではやや速めのミドルくらいのイメージでしょうか。
レース全体では前半46.7秒の後半47.1秒ということで、思っていた程マルターズアポジーは飛ばしませんでしたが、それでも後ろからでも十分届くペースでしたね。
有力馬の中では最も積極的に動いていったのがエアスピネルで、京都コースは鬼とも言える程得意な同馬らしく、下り坂を利して徐々にポジションを押し上げると、4コーナーを出たところでスムーズに外に持ち出し、前を追います。
エアスピネルよりも1列前から、こちらもスムーズに先行馬群の外に持ち出して早め抜け出しを図っていたレーヌミノルをまさに並ぶ間もなく交わし去って残り200m地点では先頭に立ちます。
ムーア騎手も、この時やや反応が良すぎて早く先頭に立ちすぎたかも、みたいなコメントを出していたようですが、それでもこの地点では勝ったと思いました。
外からサングレーザーも追い上げてきますが前を捉えるほどの勢いは無く、悲願のGⅠ制覇が目前に迫ったその時、後方からただ一頭、エアスピネルとサングレーザーの間を縫うようにしてミルコ騎手のペルシアンナイトが迫ってきます。
一体どこから来たんだよ、と中継を見ていた時は呆然としましたが、3~4コーナーではインを回って中団辺りまで進出すると、直線ではやや外に持ち出しながらエアスピネルの進路を追うように進出し、ラスト200mで素晴らしい切れ味で一気に前を捉え切りました。
中継を見ていた時はほぼ並んで入選したように見えた上位2頭でしたが、ミルコ騎手のアクションを見るとゴールの瞬間に勝利を確信していたようですね。
ゴールした瞬間、「ミルコ凄え」「ミルコやべぇ」というツイートで溢れる、そんなマイルCSでした(笑)。
JCの騎乗馬も当然大注目だったのですが、結局サトノクラウンですか。
やっぱり買うしか無いですかね?本当にどうしましょう。。。
ミルコ騎手もさることながら、ペルシアンナイトはマイル適正を改めて示す勝利でした。
ちょうど昨年のエアスピネルのようなイメージの同馬でしたが、この秋はマイル路線に照準を絞った陣営の判断が正しかったことが証明されましたし、本当に結果論になってしまいますが、道悪の影響で人気を裏切ってしまった富士Sで見限るのは早かったということになるのでしょう。
言うまでもなく、馬も頑張った結果のGⅠ勝利ですから、そこは素直に讃えたいと思います。
一方で、エアスピネルは本当に惜しい2着でしたね。。。
最後1頭になって、あの形だとどうしても末が甘くなってしまうようで、京都金杯の時はブラックスピネルを辛くも振り切りましたが、今回は逆にギリギリ差される形になりました。
前述したように、最も得意な京都、やはりベストなマイル戦ということで、ここがメイチ勝負だったと思うのですが。
武豊騎手のケガも含め、トコトン運がない馬ですね。。。
ただ、この秋に賞金を加算できたのは非常に大きく、来年こそはマイルの王道路線を余裕を持ったローテーションで歩めることでしょう。
今年の成績を見ても、どう考えても余計だった東京新聞杯や札幌記念みたいなのが無くなるだけでも、悲願達成に近づけるのでは。
そして3着、4着も3歳馬のサングレーザーにレーヌミノル。
特に3着のサングレーザーは3歳ながら前走スワンSまで4連勝の勢いそのままに、ここでも馬券圏内に入ってきました。
好枠から中団追走、3~4コーナーから直線にかけて上手く捌く福永騎手らしい好騎乗でしたね。
もともとディープとフジキセキだけ買っていれば良いイメージのマイルチャンピオンシップですから、来年は狙えるかなぁあ、なんて思っていましたがGⅠ初挑戦でいきなり好走しましたね。
来年が非常に楽しみです。
そして、古馬のオトコ馬に混じって大健闘のレーヌミノル。
こちらもやはりマイルで持ち味がでたのでしょうが、またまた和田騎手ということで、素晴らしいですね。
「強い」6歳世代では、1番人気のイスラボニータが辛うじて掲示板を確保するのが精一杯でした。
最後までじわじわ伸びていただけに、直線で進路が上手く取れず他馬と接触したりしたのも痛かったですが、スムーズでも上位2頭には届かなかったかな、と思います。
この馬も、もう一度GⅠを取って欲しい1頭だったのですが、年齢的にもなかなか厳しいでしょうか。
あとは私が本命にしていたレッドファルクスですね。
安田記念の走りからも期待できるかなと考えていたのですが、距離なのかコースなのか、乗り替わりの影響なのか。
直線入ったところでは一瞬伸びてくるかな?というシーンはありましたが、見せ場なく敗れてしまいましたね。
しつこいようですが、ダートでももう一度走ってほしいなぁと思っている馬で、ダートならマイルでも、なんて思うのですがフェブラリーSなら芝スタートだし、、、ダメですかねぇ。
ということで、冒頭書いたように「世代交代」が強く印象付けられた、そんな今年のマイルチャンピオンシップでした。
第22回東スポ杯2歳S 回顧
続いて、土曜日の東京メイン、東スポ杯2歳Sの回顧です。
この日は東京競馬場で観戦していたのですが、午後に入り小雨が降りはじめたものの心配していたほどの雨量にはならず、良馬場での開催となりました。
こちらも全馬(、といっても7頭ですが)の着順・着差からです。
このレースもtwitterのみでの発信となってしまいましたが、2着馬のところにルーカスはマークしない3連単で見事撃沈したわけですが、スタートから振り返ります。
7頭立てと少頭数ながら、とても綺麗に揃ったスタート。
とりわけ逃げると目されていた①コスモイグナーツがロケットスタートからポンと飛び出し、このままスローに落としてマイーペースで逃げるかと思われました。
しかし、スローペースからの瞬発力勝負では分が悪いと見ていたのか、外から2番手に上がってきた横山典騎手の⑥ケワロス、3番手の⑤シャルルマーニュと3頭が後続を引き離すようにして先行態勢を取ります。
(ケワロスはてっきり後方から行く、それこそポツンでもするのかなと思っていたのですが、スタート直後に隣りにいたとらじろさんと「そっちのノリさんだったかぁ」と思わずハモってしまいました。笑)
先行集団と後方集団がはっきりと2つに分かれる形になり、後ろの4頭は④カフジバンガードを先頭に、2番手③ワグネリアン、さらにその直後に内②ゴールドギア、外⑦ルーカスという並び。
レースはそのまま縦長で進み、コスモイグナーツの800m通過が46.5秒、1000mが58.5秒。
先頭とワグネリアンとの差は1.7秒くらいでしたので、800m48.2秒、1000m60.2秒くらいの概算でしょうか。
明らかに前が速いというのもあり、福永騎手は全く焦ることなく後方で脚を溜め、残り600m辺りから徐々に促していくと直線では不利を受けない大外に持ち出して前を追います。
残り400m辺り、坂の上りからしっかり追い出すと、残り250mくらいの地点であっという間に先頭に。
今まではエンジンの掛かりが遅いイメージでしたが、レースを覚えてきたのか東京競馬場が合うのか。
危なげないレースぶりでしたね。
後は後続を引き離す一方で、焦点は2着争いに絞られます。
(実際、私は直線半ばから終始2着争いしか見ていませんでした。)
第1集団の3番手にいたシャルルマーニュの外から追い込んできたカフジバンガード、2頭の競り合いに後方から追い込んできたルーカス、ラスト200mは3頭が横一線の競り合いになります。
新馬戦では直線の短い札幌競馬場というのもあり早めに動いていったルーカスですが、この日は後方で溜めるだけ溜めてどこまで切れるかを試したかったようですね。
正直、ワグネリアンの後ろから行っても勝ち目は無いのではないかな、と思ったのですが、直線ちょっと手こずりながらも差し切ってなんとか2着は確保。
戦前騒がれていたような「2強対決」にはなりませんでしたが、今後のレース選択を考えても非常に大きな2着でした。
レース展開を考えると、「第1集団」の中で唯一3着に粘り込んだシャルルマーニュもなかなか良い内容で、まぁ1→2→3番人気の堅い決着でした。
少頭数だからこそ紛れが生じることも多いですが、雨がそこまで降らなかったこと、しっかりとしたペースで流れたことから、しっかりと実力差があらわれる、そんなレースになりましたね。
最終的に、ワグネリアンがルーカスに付けた着差は3馬身。
最後は福永騎手がターフビジョンで「意外とルーカス伸びてこないな」と確認するほどの余裕があったようで、見たまんまの完勝でした。
過去2戦とは違うハイペースの競馬に対応できたのも良かったですし、直線内に切れ込んでくるのを修正するために、左ムチを1、2発入れてたでしょうか?
ただ、実質的にはステッキが不要なほどの楽勝、という評価で良いかなと思います。
この時期に東京競馬場への輸送をクリアして、世代の中でもかなりの評判馬であるルーカスを相手にしなかった事実は非常に大きいですよね。
私が福永騎手だったら、今から来年のダービーのことを考えて緊張してきちゃいそうです(笑)。
パドックでも2人曳きでややテンションが高かったですし、福永騎手もレースを使うに従って距離に対する不安が出てきたようなコメントを出していたようですので、ダービーに向けてはその辺りが課題となるのでしょう。
今後は、出れば「タダ貰い」であろうホープフルSには見向きもせず弥生賞まで休養とのことで、心身とも成長した姿を見せてくれることを期待したいと思います。
(てか、順調なら来春は3回も関東圏でワグネリアン見れるんですね。楽しみすぎです。)
ということで、土日の2重賞を振り返ってまいりました。
もたもたしている間にJCウィークの水曜日になってしまいましたが、データ関係は既にまとめてありますので、明日・明後日と今週こそは展望記事を上げて行きたいと思います。
本日も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。