人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

ディープインパクトの訃報に触れて

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こんにちは。
昨日5泊6日の北海道旅行から帰京し、すっかり日常生活に引き戻されているumassyです。

本当は今日から2日間、先々週末、先週末の新馬戦回顧記事をアップする予定だったのですが、どうしてもそんな気分になれず・・・今日は短い雑談記事になると思いますが、ランチタイム更新でひと息つきたいと思います。

 

そのニュースはあまりにも突然でした。

昨日のお昼前くらいだったのでしょうか。
ふと開いたツイッターのスマホアプリのTLは、信じられない言葉で埋め尽くされていました。

ディープインパクトが亡くなったことを報じるニュース記事とそのリツイート。
そして、あまりにも急な報せにショックを受けた心境を綴ったツイート。

競馬に全く興味がない方でも名前だけは聞いたことがある、それこそ今年6歳になる私の長男でさえも名前を知っている稀代のスーパーホース。


今年の春先、首の痛みで種付けが中止されたというニュースもショッキングでしたが、その時の報道内容も「命には別条がない」、「 来シーズンの種付けに向けて静養に入ることとなった」というニュアンス。
ちょうどキングカメハメハも種牡馬引退を発表しましたし、ディープもいつまでも種牡馬生活を送れる状況にはないのかもしれない。

その程度のケガ・身体の不調だったはずだったのに。。。

我々にとって(皆様の反応を見ていても、一般の競馬ファンは私同様だったと思います)あまりにも急で、とても信じられない、信じたくないニュース。


種付け中止報道の後、彼の体調がどのように変化し、今回どのような経緯で手術が行われたのかについては、あまり報じられていなかったように思います。
色々と考えてしまう所もあり、ネット上でも様々な声を目にしますが、現時点で外野が口にすべきではない問題とも感じます。


今はただ、競走馬としても種牡馬としても類稀な実績を残したにもかかわらず、安らかな余生を送ることが許されなかった彼が、天国でゆっくり休んでくれることを祈るばかりです。

現役時代のディープインパクトについて。

昨日、帰宅後にディープインパクトのDVDをひっぱり出して来て全レースを見返しました。
(ツイッターなどを眺めていても、同じような方が多かったような・・・)

評判通りの強さを見せた新馬戦。

とても届かないような位置から驚きの末脚で「これは本当に怪物かもしれない」と期待が高まった若駒S。

現地で観ていた時はヒヤヒヤしましたが、今見返すと着差以上に余裕があった弥生賞。ゴール後にはスタンドから拍手が沸き起こり、無敗のクラシックホース誕生に向けた期待が高まりましたね。

スタート直後に躓いた時、武豊騎手が落ちなかったことが本当に良かったと思える皐月賞。

最高の舞台で、期待に応える圧勝だった日本ダービー。
何度見ても格好良い走りで、2着に頑張ったインティライミも強かったなぁと思いますね。



そして、何と言っても無敗での3冠が掛かった菊花賞。
ナリタブライアンの3冠を現地で見ることができず後悔していたこともあり、私は夜行バスに揺られて京都へ。

京都競馬場のゴール前でその瞬間を見ていたのですが、あの時の感動は今でもはっきり覚えています。
1周目のスタンド前で引っかかりまくっていた時には正直ダメかと諦めかけましたが、最後4コーナーを回り、外から勢い良く伸びてきて。

もう、最後は自分でも何を叫んでいるか分からない状態でしたが、アドマイヤジャパンを交わして先頭ゴールした瞬間は競馬場全体が地鳴りのような歓声に包まれました。
ちょうど、30歳だった私は人生の転機を迎えるところだったというのもあって。。。
個人的にはこのレースが一番の思い出でしょうか。


その後も、天皇賞(春)では「新人」として入った組織で先輩に薦めてしまった手前もあってディープとリンカーンの馬連一点勝負を10万円買ってドキドキしながら見るという最初で最後の経験もさせて頂きましたし(独身時代だからできたことですね・・・)、凱旋門挑戦は後楽園WINSのパブリックビューイングで見ていて、まさかの3着に敗れた後は完全に放心状態でした。

あの時は、日本中がディープの勝利を信じて疑っていませんでしたし、この馬がダメならもう日本馬があのレースを勝つ日など永遠に来ないんじゃないか。
そう思えるほどショックが大きかったですね・・・
(実際、オルフェは惜しかったものの未だ未勝利ですね。)


そこから先は、現役引退の電撃発表があり、JC→有馬と「強いディープ」が戻ってきて結局国内では3歳時の有馬以外全勝という成績での引退。


私の中で「競馬熱」が急速に冷めてしまった瞬間と言うのが過去2回あって。
最初はサイレンススズカのラストレースとなってしまった98年の天皇賞(秋)の後で、2回目がディープ引退後でした。

実際、新しい職場が非常に忙しく徹夜が続くことも珍しくないような状況だったこともあり、ディープ引退後はかなり長い間競馬から距離を置いていたように思います。

ただ、そんな中でも馬券は何となく買ってしまっていて、このまま競馬を続けようかどうしようか。
自分自身も結婚して子供も出来て、競馬との付き合い方をどうするか決めなければ・・・そう考えた時に、やっぱり自分は競馬が心から好きだし、一生競馬から離れられないのは明らかで。

そうであれば、とことん競馬と付き合うことにしよう。
そう思ったのがブログを始めるきっかけの一つだったことは以前もどこかで書いたと思います。


ちょっと脱線しましたが、現役時代のディープは私にとって、そして多分全ての競馬ファンにとってもスーパーヒーローのような存在で。
本命党とか穴党とかを超越した、もうここまで強いなら馬券うんぬんは抜きにしてそのパフォーマンスを楽しもうじゃないか、そう思えるような特別な馬でした。

 

種牡馬としてのディープインパクトについて。

現役時代物凄く強かった馬が、必ずしも種牡馬としてもトップクラスの成績を残せるとは限らない。
ましてサンデーサイレンス系の種牡馬が既に多数種牡馬デビューしており、良い繁殖牝馬にもサンデー系が増えてきていて色々難しいのではないか。


当時、そんな懸念を抱いたいた方も多かったように記憶していますが、それは杞憂に終わるどころか、ディープインパクトは種牡馬としても飛び抜けた「強さ」を発揮してくれましたよね。

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私らしく、新馬戦(芝のみ)の数字を出してみましたが、産駒がデビューした2010年以降の全成績を抽出したところ、なんと複勝率が50%超。

初年度産駒の世代からいきなり新馬戦リーディングを獲得すると、2世代目が実は一番危なくて2位アグネスタキオン14勝と4勝差の18勝で2年連続リーディング。
その後も9世代連続で1位となっていて、今シーズンV10なるかに注目ですね。

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「母父Storm Cat」が一番有名なニックスだとおもいますが、率で言えばキンカメ、フレンチデビュティ、Unbridled's Songが上で、とりわけ平均人気1.9で単回値・複回値100超えのキンカメは凄いですね。
最近で言えばやはりラインベックで、POG的に応援している馬です。

数も多いStorm Catは色々いますが、もちろん個人的にはラヴズオンリーユーですね。


これ以上やると牡牝分けたり生産牧場分けたり色々やりたくなってしまうので、ここまでにしましょうか・・・


いずれにしても。
今年中断するまでに種付けされたのは20頭ほどで、海外の馬も多かったようですので、実質的には今年の当歳が最後と言えるのでしょう。

奇しくも今シーズンはキズナ産駒やリアルインパクト産駒も大活躍していますが、「後継種牡馬争い」はどうなるのか。
来年のセレクトセールでは例年以上にディープ産駒が高騰すると思われますが、一口馬主なんかでも実質最後の世代となる来年度の1歳馬募集がどうなってしまうのか・・・その辺りにも注目ですね。

 

最後に、冒頭の写真についても。

昨日、ノーザンホースパークを観光中にニュースを見てからはずっとディープの事を考えてしまっていたのですが、そんな中、マップ上で「馬房1」と書かれた場所の前を通りかかりまして。
中に入れるみたいだし見てみようかな、くらいのノリで入ってみたんですね。

基本的には曳き馬に使われるクオーターホースなどが繋がれていたのですが、そんな中、いきなり目の前に現れたのがウインドインハーヘア。
・・・これは思わず息を飲んでしまいましたし、一瞬理解ができませんでしたね。


もうすっかりおばあちゃんで、もしかしたらいつもこんな感じなのかもしれませんが、心なしか悲しげな眼をしているようにも思えて・・・
「ディープを産んでくれてありがとう」、「お母さんはいつまでも長生きしてね」、とだけ声をかけて来ましたが、いやぁこんな事ってあるのですね。

タテの写真がアイキャッチ画像に向かないことは承知しているのですが、この記事はこの写真以外考えられませんでした。。。


ちなみに、このノーザンホースパーク、初めて行ったのですが空港からも近く、子供連れでも楽しめてとても良かったです。

 

ポニーの可愛らしいショーがあったり。

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広大な敷地をレンタルサイクル(家族向けに4人乗り自転車なんかもあります)で回れたり。この日はあまり放牧されている馬はいませんでしたが・・・

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ベタな感じでジンギスカン食べ放題があったり。

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もちろん曳き馬や馬車などもあり、テニスコートまであって何時間でも遊べそう。
また北海道に行った際はフライト前に立ち寄ることがルーティン化しそうな感じです。

皆様も機会がありましたら是非。

 

それでは、結局全然短い記事になりませんでしたが・・・ともあれ。

競走馬としても種牡馬としても我々競馬ファンに夢を与え続けてくれたディープインパクトの冥福を祈って。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。