おはようございます。
小雨が降る中行われた昨日の第36回ジャパンカップ。
皆様ご存知のとおり、キタサンブラックが見事逃げ切り勝ちを収めました。
レース後のインタビューにオーナーが一緒に出るのも、そこで一節歌うのもすっかり恒例になりましたね。
とにかく強かったの一言に尽きるこのレース、早速振り返りたいと思います。
まずはいつものように、全馬の着順、着差です。
4番人気のディーマジェスティが13着に沈んだ他は上位人気馬が掲示板を占めていることからも分かるように、実力馬がそれぞれ力を発揮した、見応えのあるレースだったと思います。
まず注目のスタート。
ほぼ横一線の中、好スタートを決めた最内①キタサンブラックはスタート直後に馬をやや外に誘導します。
②ビッシュが抑えるのは分かっていたからか、飛び出しに自信があったのか。本当に数完歩で、キタサンブラックとビッシュの位置関係が逆になるくらい外に張り出していきます。
個人的に大注目していた③ゴールドアクターですが、特にキタサンブラックに競りかけるでもなく、自分のペースを守ったまま最初のコーナーに向かっているように見えました。
代わってその外から2番手の位置を取りに行ったのが、⑦ワンアンドオンリー。
宝塚記念以来の田辺騎手とのコンビで、これはほぼ予想通りの動きでした。
そしてそして、さらに外から、私が本命にした⑯リアルスティールもかなり積極的にポジションを取りに行きます。
これも予想通りとはいえ、想像していた以上に前に付けて来ましたね。ゴールドアクターが思ったより行かなかったのもありますが、4番手のポケットの位置を取りに行くのかとばかり思っていました。
レース後のムーア騎手のコメントを聞くと、実際には2番手のポジションを狙っていたようで、1コーナーを回る時にはさすがに掛かり気味でしたね。。。
結局ゴールドアクターはその直後4番手の内で最初のコーナーを迎えますが、2コーナーにかけて、コーナーワークでこちらが3番手に。
外にはすぐに折り合ったリアルスティールが付け、直後には⑧イラプトと⑥ラストインパクト。
1馬身切れて④ルージュバックと外⑫サウンズオブアースが好位に付け、⑰シュヴァルグランはその後方、中団10番手辺りの外。
⑭レインボーラインは後方4番手、⑨ディーマジェスティは後方2番手辺りと、かなり後ろからの競馬になります。
ディーマジェスティは結局後方のままレースを終えてしまいますが、これは予想記事でも書いたように、体調面の問題だと思います。
有馬よりはJCの方がチャンスありと見ての参戦だったかと思いますが、このあと春に向けて、しっかり休んで立て直して欲しいところです。
このレース、武豊騎手が上手いなぁと感じたのは、向こう正面に入って急にペースを緩めたりせず、後続に一定の差を付けたまま3コーナーに向かっていったことです。
1コーナーに向かう2ハロン目で11.3秒のラップを刻んで先手を取りきると、その後も12.6秒-12.3秒-12.2秒と全く緩めることなくレースを引っ張り、1000m地点ではワンアンドオンリーに4~5馬身の差をつけます。
1000mの通過は1分1秒7。
この日の馬場状態からすると超スローとは言えないまでも、GⅠの豪華メンバーにとって決して速いとも言えないペース、それでいて後続を引き離しているのですから、これは豊マジックとしか言いようがありません。
そこから3コーナーにかけてのアップダウンを12.5秒-12.7秒とやや抑え気味で走るものの、このペースだとさすがに向こう正面で捲って行ったり先頭に並びかけるような動きはできません。
結局吉田隼人騎手が何をしたかったのかは不明なままですが、どちらにしてもあの流れでは何も出来なかったと思います。
そして、ある意味このレースを決めたのはここから直線にかけての動きです。
3コーナーで後続がやや近づいてくると、武豊騎手とキタサンブラックは、ここからロングスパートとも言えるようなギアの切り替えをします。
3~4コーナー中間から4コーナー出口にかけて、残り800mから600mにかけての1ハロンが11.9秒、さらに400mにかけての1ハロンが11.2秒。
一方で、先行勢からゴールドアクターとリアルスティールが4コーナーにかけて早めに進出を開始。
直線に入る時には2番手に並ぶところまで上がってきます。
ここで脚を使わされたことによって、正直これら2頭にとってはノーチャンスの競馬になってしまいました。
彼らの追い上げる気持ちを折るかのように、キタサンブラックは次の1ハロンも何と11.4秒。坂を登りながら、苦しいところでもう一度突き放されてはもう交わすことはできません。
また、この間のコース取りも上手かったですね。
4コーナー出口では大きく外に持ち出し、馬場の良いところに馬を誘導します。
ちょうど、この日の第9レース、芝2000mのオリエンタル賞でルメール騎手のトーセンマタコイヤが通った辺りで、参考にしたわけでは無いのでしょうが(笑)、これも勝因の一つでしょう。
外のリアルスティール、内のゴールドアクターが残り200mまでは必死に2番手争いをしていましたが、これらを交わして、外から一気に上がってきたのが⑫サウンズオブアース。
実はこのサウンズオブアース、4コーナーから直線にかけてスムーズに外に出して追い出しに入ったところで、やや外に膨らんでしまったリアルスティールに押された⑥ラストインパクトに寄られて若干追いづらいシーンもあったのですが、残り100mでは完全にリアルスティールを交わし、2番手に立ちます。
ただ、キタサンブラックは最後の1ハロンも12.1秒でまとめて、サウンズオブアースに2 1/2馬身差を付ける圧勝。
サウンズオブアースはすっかりシルバー・ブロンズコレクターという馬キャラが定着してしまいましたが、力があるのは間違いないですね。どこかでひとつ、重賞を獲って欲しいものです。
3着争いは、外から鋭く伸びた⑰シュヴァルグラン。
ここに来ての成長が目覚しく、私も対抗に期待しましたが、サウンズオブアースのちょっと後ろから追い上げて、最後は勝負が決まった後に突っ込んできた印象でした。
展開に恵まれた部分もありますが、これも来年は非常に楽しみな1頭ですね。
4、5着争いは結局先行した2頭が頑張り、最後ゴールドアクターが4着、リアルスティールが5着。
これはある程度早めに前を捕まえに行っての結果ですから、仕方がないでしょう。
ほとんど差が無く、後方から追い込んできた⑭レインボーラインが6着、思い切ってインを突いた⑤イキートスが外国馬最先着の7着。
そして・・・2番手でレースを進めたワンアンドオンリーが8着に頑張っていたことも強調しておきたいと思います(笑)。
リアルスティールは結果的にやはり外枠が堪えたように見えました。両者の枠順が逆ならば結果も逆、あるいはさらに上があったかもしれません。
ムーア騎手は期待通りの騎乗をしてくれましたが、最後はフラフラしていたように、距離の壁も感じざるを得ないレースでした。
ゴールドアクターは、こんなことを言っては失礼かもしれませんが、思いのほか頑張りました。
能力、展開云々よりも、今回は数字の通り、太め残りだったのもあるでしょう。
条件的には有馬記念の方が向いているのは明らかであり、絞れてくるようなら次は馬券圏内も期待できると思います。
馬券的には、上位4頭(◎、○、▲とサウンズオブアース)の馬連・三連単BOXを買っていたので結構プラスになったのですが、予想としてはちょっと惜しい結果となってしまいました。
今回、久し振りにキタサンを本命にしなかったと書きましたが、実際、専門紙等でも意外と本命の印は集まっていなかったように思います。
JCでは過去10年で逃げ馬が一切馬券に絡んでいないこと、京都大賞典から直行した馬の成績が振るわないこと。
いわば「常識」や「データ」を考慮すれば当然そうなるのですが、単勝3.8倍と、その実力からすれば「低評価」といえるオッズを嘲笑うかのような圧勝。
今日のブログタイトルの通りなのですが、本当に能力のある馬に名手が乗ったとき、過去のデータなんて無力なんだな、と改めて感じました。
(レース傾向・トレンドを確認する意味でデータを確認する作業を否定するわけではなく、このブログでもデータは重視していきますが。)
さて、これであと大きなレースは(国内では)有馬記念だけ。
来週からは中山・阪神(・中京)開催ということで、毎年JCの後は寂しい気持ちになります。
ただ、その有馬記念ではキタサンブラックとサトノダイヤモンドの対決が見られるのかと思うと、今から楽しみで仕方ありません。
昨年の1・2着馬のゴールドアクター・サウンズオブアースもこのまま行けばフレッシュな状態で出られそうですし、盛り上がりますね。
もちろん、その前に今週末のチャンピオンC、そして2歳G1もしっかり予想していきたいと思います。
本日も、最後までお読みいただき、誠に有難うございました。