人生は競馬と共に

中央競馬の新馬戦・重賞を中心に、競馬について気ままに書いていきます。

【雑談記事】高松宮記念の振り返りと降着制度について。

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こんばんは、umassyです。

どうにもやる気が出ない月曜日ですが、朝に飛び込んできた志村けんさんのショッキングなニュースで余計にふわふわした気分ですね。。。
中央競馬自体、GⅢマーチSを含む日曜中山10R分が明日火曜日に順延ということで・・・どうしようかなぁという感じですが、まずは高松宮記念を含む土日の競馬を振り返る雑談記事を。

クリノガウディーの降着という後味の悪い結末にはなったものの、ゴール前4頭の非常に見応えある接戦になった今年の高松宮記念。
ちょうど土曜日の日経賞でも騎乗停止案件があったので、その辺り結構誤解されている方が多い現行の降着制度についても簡単に触れたいと思っています。

先週末行われた競馬の振り返り

日曜中京11R 高松宮記念(GⅠ)

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まずは、高松宮記念について簡単に。
targetから吐き出したデータだと入線順になっているので、着順が4→1→2→3となっております。

前述の通り、4頭がほぼ横一線の非常に良いレースでしたが、まず勝った⑯モズスーパーフレアについては今年は行きっぷりが素晴らしく良かったですね。
昨年は同じく外枠からラブカンプー、セイウンコウセイを交わすのにかなり脚を使ってしまいましたが、今年は1ハロン地点で既に単騎楽逃げの形に持ち込んでしまっていました。

逆に言えば、私が本命に期待していた⑫セイウンコウセイが去年程の行きっぷりに無かったとも言えるのですが、こちらは本当に全く見せ場なく・・・元気がありませんでしたね。

高松宮記念’19(良):33.2-34.1
スプリンターズS'19(良):32.8-34.3
高松宮記念'20(重):34.2-34.5

上記は前後半のレースラップで、全て逃げたのはモズスーパーフレアです。
前半からラップが速くなる中山と違うのは当然としても、重馬場でも比較的時計が出る馬場で、去年より楽なペースだったのがお分かりいただけるでしょう。

しかも、2番手に付けていたセイウンコウセイはこれより3馬身ほど後ろ、私の計測で0.6秒余り遅いラップでしたから、モズスーパーフレアを除けばかなりのスローペース。

実際、グランアレグリアを除く前3頭は4角1・3・4番手で、それだけにセイウンコウセイが何であそこまで走らなかったのか・・・コース適性も道悪適正もあるはずなのに、本当に競馬は難しいですね。。。

ただ、展開恵まれたのとクリノガウディーの降着があったとは言え、モズスーパーフレアは見事昨年2番人気15着のリベンジ。
ローテを工夫して、松若騎手とのコンビでスプリンターズSの「借り」を返したというのも意義が大きく、これで「ホーム」の中山に戻れば・・・春秋スプリントGⅠ連覇も大いに期待できそうです。

個人的には、好きな馬を本命にせず勝たれてしまうというのは何とも複雑な気持ちですが、、、松若騎手もモズスーパーフレアも、本当におめでとう御座います。


そして、前4頭の中で唯一後方から矢のような末脚で追い込んできた⑧グランアレグリアは・・・本当におみそれいたしました。。。
何で人気になっているのか訳が分からないなんて書いてしまいましたが、内容的には勝ちに等しく、これはメチャクチャ強かったですね。

道悪こなすだろうと思われた「2強」が全く見せ場なく惨敗して、道悪でスピードが削がれると思われたこの馬が好走するというのも競馬の難しいところでしたが・・・
意外とスローになって対応できたというのはあると思いますが、これは私に見る目がありませんでした。

そして、何と言ってもこのレースについては降着の事象に触れなければならない訳ですが・・・これは後ほどまとめて。

 

土曜中山11R 日経賞(GⅡ)

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土曜日の重賞はパスしていたのですが、中山では天皇賞(春)への重要ステップである日経賞が行われましたね。

「中山芝2500m=内枠有利」のイメージも強いですが、このレースは綺麗に10番ゲートより外の5頭かつ後方待機組が掲示板。
極端なレースだった印象が強いですが、それでも1・2着馬は人気通り。

天皇賞(春)に向けては、素直にこの2頭と阪神大賞典組、大阪杯組にフィエールマン等別路線組の比較をしていくことになりそうですが、ここで注目したいのは最後の直線。

ミッキースワローが継続的に外に張ってモズベッロの進路をカットし続けたことで横山典弘騎手が実効2日間の騎乗停止処分を受けました。
ただ、こちらは騎乗停止だけで降着等はなし。

「高松宮記念とどこが違うの?」とか「なんでこのレースは審議ランプすら付かないの?」という疑問をお持ちの方も・・・もしかしたらいらっしゃるかもしれませんので、その辺りも後ほど。

土曜阪神11R 毎日杯(GⅢ) 

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こちらも予想はしていませんでしたが、POG馬アルジャンナはまた善戦止まり。。。
ヒューイットソン騎手も彼にしては後方で溜めて我慢していましたし、直線ではかなり露骨にサトノインプレッサに蓋をしに行っていましたが、そんなのお構いなしとばかりに着差以上の余裕を持った完勝。
(あれは全くお咎めなし、ですか・・・)

またまた無敗の3連勝で重賞を勝つ馬が出てきたという事で、里見オーナーは有力馬2頭で今年のダービーに臨むことになりそうですね。
このまま直行になると思うのですが、本番が道悪にでもなればちょっと楽しみな一頭です。

走行妨害による降着の判定について

まずはルールをおさらい。

降着・失格のルールについては、JRAのHPに説明があります。

競走中に斜行・押圧等により他馬の走行を妨害したケースで、裁決委員が以下の通り判断した場合、降着又は失格となります。

降着・・・ 「その走行妨害がなければ被害馬が加害馬に先着していた」と判断した場合、加害馬は被害馬の後ろに降着となります。
失格・・・ 「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた」と判断した場合、加害馬は失格となります。
注記:被害馬が落馬や疾病発症等により競走を中止した場合には、上記の「失格」に該当しない限り着順は到達順位のとおり確定します。

降着については、「走行妨害が無ければ加害馬に先着していた」と認められることがポイントですね。

どのようなケースが降着になるのか?

では、どうすれば「先着していた」と認められるのか?
・・・これも図解等で明快な説明があるのですが、ポイントは2点。

  1. 妨害後、被害馬の脚色が加害馬を上回っていること
  2. 被害馬が加害馬に詰め寄っていること

ポイント2の具体的な目安について、実際の審議事例を色々と分析されているブログやyoutube等も世の中にはたくさんあります。
詳しくはそちらをご参照いただきたいと思うのですが、具体的には最終的な着差が1/2馬身程度まで詰め寄っていれば降着の可能性あり。
ハナ差ならほぼ確実で、アタマ・クビ差でもほぼほぼ降着というイメージです。

勝ち負けに関わる不利ですから、通常は決勝線手前、概ね1F程度の事象が対象というのが基本なのですが、例のNHKマイルC以来、「直線に入ってから」の事象によって降着になるような事例がいくつか出ていますよね。

先週末の2事例についてあてはめ

このポイントを押さえておくと、先週末の2事例は比較的分かりやすいケースでした。
まずは高松宮記念ですが、加害馬=クリノガウディーが被害馬=ダイアトニックに不利を与えたのがラスト200mを切った辺り。

その時点で1馬身ほど前に出ていた加害馬に対して、一度ブレーキを掛けた被害馬がもう一度追い出して、ゴール前クビ差まで詰め寄って入線。
・・・上の2ポイントをバッチリ満たしていますよね。

1点、良く分からないのが審議に時間がかかった(らしい)ということ。
過去の類例から見ても、比較的簡単な審議案件だと思うのですが、ずいぶん時間がかかったという話を聞きました。
今回、2頭の間にもう2頭いた大接戦だったことによって1着から4着に降着するという珍しい事例だったから・・・なのでしょうか?

まぁ、GⅠですし慎重に審議していたのかもしれませんね。


一方で、日経賞の方はどうだったでしょうか。
直線入り口で加害馬=ミッキースワローが被害馬=モズベッロに不利を与えた時点で両馬の差は1馬身あるかないか程度。

そこから最終的にはモズベッロも少し外にもたれたりして、着差が逆に広がって1 1/4馬身差でゴール。
ポイント1の脚色も加害馬優勢で、ポイント2の着差も大きいですので、これは降着になるはずもない事例。

JRAのHPにも、審議ランプが点灯するのは上位入線馬が降着する可能性がある場合のみ、と明記されていますので、当然審議ランプも付きません。
・・・結構分かりやすいですよね。


ちなみに、ここで書いたのは「失格・降着のルール」。
騎手や調教師に与えられる制裁については完全に切り離して考えて下さい。
(通常なら過怠金の事案も、降着になると必ず騎乗停止になったりという関連性はありますが。)

日経賞について、降着の対象になるような事例では無いと書きましたが、横山典弘騎手は実効2日間の騎乗停止処分を受けました。

これはもう、採決委員がどう判断したかなので我々には窺い知ることができないのですが、パトロールビデオを見る限り、横山典弘騎手は終始右ムチで外に張り続けており、修正しようという扶助もほとんど見られませんでした。
調教師に責があるような事例にも見えませんでしたし、個人的には騎乗停止もやむなしかなぁという印象を受けました。


一方で高松宮記念の和田騎手は、被害を与える前から左ムチで矯正する意思が見えましたし、勢いよく「タックル」してしまった後すぐに手綱を右に引っ張って修正する扶助の動きも見せました。
個人的には実効2日間くらいが妥当では無いかなぁとも思うのですが・・・まぁGⅠですし、その辺りは何とも言えませんね。

最後に、現行制度の課題について

上記の通り、今回の高松宮記念の事象は現行ルール上、比較的分かりやすい降着案件でしたし、ルールや過去の類例に沿った、正しいジャッジだったと思います。

ただ、現行のルールに対して「納得感」があるかと言われれば微妙というしかなくて…
今回、クリノガウディーが1着から4着に降着してしまったのは、ダイアトニックとの着差が極めて小さかった(多分クビ差くらい)から、そして不利を受けたダイアトニックが頑張って差を詰めてきたから。

そして、それが可能だったのは鞍上の和田騎手がすぐに修正して、被害を最小限に抑えたから。
日経賞のノリさんのように、修正せずダイアトニックをきっちり1馬身以上追いやっていれば、もしかしたらGⅠ初制覇なったかもしれません。

・・・これって、やっぱりおかしくないですか?
よく、現行制度が「やったもの勝ち」と言われるのはこのためなのですが、 個人的には全く納得がいきません。

この降着・失格制度そのものは国際的な基準に合わせるということでもう変えられないのであれば、せめて制裁の方でもう少し調整できないものでしょうか。
騎手への賞金を没収するとか、騎乗停止期間も長くするとか。。。

色々な考え方があって非常に難しい問題ではありますが、これだけ競馬ファンから不評をかっている現行制度なのですから、何か改善できるところがないか、検討して頂きたいものです。
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ということで、また長くなってしまいましたが、降着制度についてはどこかで纏めたいと思っていたので、ちょうど良い機会になりました。

今回の日経賞でも、「なんで降着になるような事例なのに審議ランプも点かないんだ」みたいな的外れな声も目にしました。
(納得いくか行かないかは置いておいて)JRAのHPでも分かりやすく解説されていますので、一度ご一読いただければと思います。

それでは、明日は・・・せっかく競馬がありますので、いくつか予想しますかね。
マーチSプラスαの予想記事を朝のうちに更新する予定ですので、またお読み頂けたら嬉しいです。


最後までお読みいただき、誠に有難うございました。