こんにちは、umassyです。
今週は有馬記念ウィークということで、予定通り毎日更新することができましたね。
今日は巷でも話題になっている「オジュウチョウサンの取捨について」ということで、いかにもブログっぽいタイトルにしてみました。
一般的に良く見るこのタイトルですけど、競馬ブログではほとんど使うチャンスが無いので、いつかやってやろうと狙っていました(笑)。
まず、大前提として。
普通にオジュウチョウサンが買えるか?と聞かれれば、「買えるわけないじゃないか」というのが普通の答えですし、多分正解なのだろうと思います。
そんなことは私も分かっているので・・・「1000万下を勝ったばかりの7歳馬がGⅠで勝ち負けできるわけないじゃないか」みたいな常識的な突っ込みはご遠慮ください(笑)。
一週前追い切りに跨った石神騎手が、「奇跡を起こしてくれそうなデキです」みたいなニュアンスのコメントを出されていましたが、そもそもこの馬が有馬記念に出走しているだけでも十分奇跡だと思いませんか。
障害レースだけ使っていればまだまだ無双出来ていたはずの馬が平地に挑戦、しかもグランプリ・有馬記念に出走するなんて、本当に勇気ある、そして夢いっぱいのチャレンジなわけで。
今年の競馬界を盛り上げてくれた功労者でもあり、ダービー馬も菊花賞馬もJC馬も不在の有馬記念をこんなに注目されるレースにしてくれた障害界のスーパースターに敬意を表して。
馬券も買えるのではないかという理由を無理やり7つ、集めてみましたというネタ企画でございますので、そう思ってお読みいただければ幸いです。
本題の前に、有馬記念の枠順について
オジュウチョウサンのお話の前に、昨日の公開枠順抽選会で決まった馬番をおさらいしてみましょう。
数字は過去20年の有馬記念における馬番別の成績です。
勝率・連対率・複勝率とも好成績には黄色、悪い成績には青色を付けていますが・・・8枠2頭は昨日の抽選会で「終戦」という雰囲気ですね。。。フルゲート割れの年もあって母集団が若干少ないことを差し引いても酷い成績です。
ぱっと見で成績が良いゲートを引いたのが、
①オジュウチョウサン
②クリンチャー
④マカヒキ(意外と複勝率は低いですが)
⑥サトノダイヤモンド(これも意外と勝率は低いですが複勝率は1番)
⑦サウンズオブアース
・・・見事に穴馬だらけ。
一方で人気どころで厳しい枠を引いたのが、
⑧ブラストワンピース(偶数だし外でもないのに何ででしょう。。。)
⑪ミッキーロケット(複勝率はまだマシですが・・・)
⑫レイデオロ(なんと・・・)
⑭キセキ(これも複勝率はまだマシ)
⑮シュヴァルグラン
これは俄然やる気が出て参りました(笑)。
有馬記念の枠による有利不利に関しては、とらじろさんの記事もご参照ください。
あのドラフト制は流石に1回だけで終わりましたが、面白い企画ではありましたね。
個人的にちょっと記憶違いをしていたようで、②→④→⑥→①みたいな順番で埋まったと思い込んでいたのですが。
いずれにしても内の偶数ゲート、あるいは奇数ですが最内の①が「良い枠」ということで、有馬記念に限らず中山芝2500mの予想をする際、私はいつもまずはこの中から軸馬を選べないか検討するようにしています。
枠順についてはこんなところで、本題に入りましょう。
オジュウチョウサンの「買い」要素7つについて
1. まさかの1枠1番!
実は色々考えていたのですが・・・これで全て持っていかれるくらいのインパクトがありましたね。
1番枠が有利なのは前述のとおりで、今回前々で、かつロスなく運ぶ形になれば僅かに可能性が出てくるのではないかというところでしょうから、この枠は願ってもないですね。
外から⑭キセキがハナを奪いに来るとは思うのですが、もし行けないようなら逃げてしまっても良いでしょうし、これは本当に楽しみになりました。
何より感じたのが、武豊騎手とオジュウチョウサンのコンビというのはやっぱり「持っている」のだなぁということですよね。
昨日の枠番抽選会を見て、競馬の神様が後押ししてくれているような印象すら受けてしまいました。
2. キセキが作るレース展開
本当はこれを一番に持ってくるつもりだったのですが・・・
「奇跡」の鍵はキセキが握る、的な(笑)。
外枠に入ってしまって、川田騎手としてはちょっとプランが狂ってしまったかもしれませんね。。。
ルーラーシップ産駒特有とも言える気性的な難しさを抱えるキセキにとって、この秋競馬で大躍進した大きな要因が「逃げ」に活路を求めた川田騎手の強気な騎乗。
馬の状態も良かったのでしょうが、特に前走・JCではレースを支配する堂々としたレース運び。
ちょうど昨年・一昨年のキタサンブラックを彷彿とさせるような逃げでしたが、ラスト1000m~800m辺りからどんどんラップを上げていき、ラストから3F目が一番速いラップ構成で。
後続は捲ることも出来なければラストの脚も溜まらない、非常にタフなレースを作って好走しているだけに、今回もそんな展開を理想としているのだと思います。
(しつこいようですが、⑭番枠に入ってしまったことで、途中からハナを奪いに行くプランになるのか、スタート後強引に外から仕掛けていくと掛かってしまうでしょうし・・・今年の有馬のカギを握る重要なポイントかもしれませんね。)
仮にキセキがスムーズに逃げられた場合。
さすがにオジュウチョウサンがアーモンドアイのような競馬をできるとは思えませんが、このキセキが作るであろう流れを2番手のイン辺りで追走していけるようであれば・・・
コーナー6つで最後の直線も短い有馬記念ですから、天皇賞やJCのように後ろからは差しにくい流れになってギリギリ馬券圏内に粘りこめるかもしれません。
3. 鞍上は4000勝騎手・武豊です。
早くも苦しい理由になってきましたが(笑)、実際のところ、武豊騎手にとってオジュウチョウサンはクリンチャー、マカヒキなど他のオファーもあった中で「選んだ」馬であるというのは大きな事実でしょう。
武豊騎手としても、競馬界全体の盛り上がりを考えて選んだのだろう。
そんな声も良く聞かれますし、実際それもあるのでしょうが、果たして本当にそれだけでしょうか。
この馬に乗って、ベストと思われる展開に恵まれて最高に上手く運べれば少なくとも見せ場くらいは作れるはず・・・
そう感じたからこそ騎乗を引き受けたのだと、私は思います。
さすがに1枠1番を引けるところまではレジェンドも想定していなかったでしょうけれども(笑)。
4. 前走で見せた「成長力」
7歳馬に使うのが適切とは思えない言葉ではありますが、前走の南武特別、本当に勝てると思った競馬ファンが一体どれだけいたでしょうか。
あの時、予想記事で私はこんなことを書いていました。
仮に1000万下に出るとしても、上り3Fの瞬発力勝負になりやすい府中の2400mはありえないだろう(2500mならまだ分かるのですが)、というのが正直なところです。
本命馬に対するコメントとは思えないですね(笑)。
ただ、小頭数とは言えソコソコ骨のある相手も出ていましたし、平地復帰後の初戦となった開成山特別のレース振りを見る限りでは、まぁ正直1000万下じゃ頭は厳しいだろうなぁ・・・と。
初戦に続き注目を浴びつつも、下された3番人気という評価こそが、冷静な競馬ファンの総意だったに違いありません。
が。
ここでオジュウチョウサンは想像を超えた対応力を見せてくれました。
前半1000m63.0秒というかなりのスローペースで序盤が流れて、これは最悪の流れなんじゃ・・・と思った瞬間、ジナンボーが逃げ馬に絡んでくれて11秒台のラップが続く思いもかけない展開に恵まれた。
それが一般的な理解なのかなと思いますが、VTRを見返してみると、前の動きに関係なく武豊騎手が理想的な動き出しをしていたことが分かります。
残り1200m辺りで股の間から(恐らく)ブラックプラチナムの位置を確認すると、ラスト1000m辺りから徐々にスパートを開始。
いつものように私がスマホのストップウォッチ機能で取った不正確極まりないラップではありますが・・・この時のオジュウ自身のラスト5Fラップが多分こんな感じ。
11.7-11.9-11.4-11.2-11.9 (推定上り3F:34.5秒)
ラスト1Fは完全に自分のラップ=レースラップなので11.9で良いと思うのですが、私が見た限りこれ位だと思います。
かなり長く脚を使って、直線に入る辺りからは11秒台前半の加速ラップで一気に前を交わしたうえで、ラストも11.9秒で粘ってブラックプラチナムの追撃を交わしています。
前半5Fがかなり緩いペースだったことを差し引いたとしても。
この開催、東京競馬場は比較的軽い馬場で上りも速いレースが目立っていたのは事実だけれども。
スタミナはあってもそんなに速い脚は使えるわけがない・・・
我々が持っていた固定観念を根底から覆すような走りを見せてくれたのは事実です。
冷静に考えてみてください。
デビュー後たったの2戦で平地競争に見切りを付けられて、約1年のブランクを経て障害入り。
その後、4年近くもの間障害レースだけを走り続けて、いきなりの平地挑戦。
障害戦も使いつつ徐々に力を付けて入障4戦目で未勝利を脱出したように、平地を使いながらまだまだ成長している過程なのかもしれません。
奇しくも、武豊騎手が南武特別後に出したコメントで、時計面だけを見ればまだまだ有馬記念で戦えるレベルでは無いと認めたうえで、まだこの馬には伸びしろがある、というような趣旨のことを言っていたそうですね。
ちなみに、南武特別の勝ち時計、2.25.0というのはアーモンドアイのJCを除けばこの秋の東京開催で最速です。
ちょうど良いモノサシとして、10/8に行われた準オープン、六社Sで勝ったムイトオブリガードの走破時計が2.25.7。
(レースの前半1000m通過タイムが62.4、勝ち馬の4角位置は3番手、上り3F34.1秒)
違う日に行われたレースと比較することに大きな意味は無いのかもしれませんが、1000m通過が0.6も遅かった南武特別で見せたオジュウチョウサンの走りのほうが内容的に上と評価することも出来そうです。
そのムイトオブリガードは次走アルゼンチン共和国杯で0.1秒差の2着で、勝ち馬は有馬記念でもそこそこ人気しそうなパフォーマプロミス。
・・・どうでしょう。
もしも1戦目より2戦目、そして2戦目よりもこの有馬記念と、もう一段階・二段階上のギアを武豊騎手が引き出せたりしたら・・・
なんとなく、勝負になりそうな気がしてきませんか。
5. もしかしたら馬場状態も味方してくれるかも。
思いのほか4番目で熱く語りすぎてしまいました(笑)。
ここから先はしょうもない理由しかないですしさらっと。
今のところの天気予報によると、有馬記念当日の中山競馬場は曇りで降水確率30%となっているのですが、実はその前日、土曜日に傘マークが入っているのですよね。
(雨量は不明ながら、降水確率は60%です。)
「力の要る馬場の方が向いている」=「道悪歓迎」とは限らないのが難しいところですが(確か開成山特別の時、武豊騎手が良馬場の方が良さそうとコメントされていましたよね)・・・
先週あたりからだいぶ時計が掛かるようになってきた中山芝コースで、土曜日に雨の中で開催されて芝が適度に荒れた上で日曜には良馬場に回復する、みたいな形がオジュウチョウサンにとってのベストシナリオ。
そんな状況がもしかしたら実現するかもしれません。
6. 「暮れの中山」適性は間違いなくNo.1
何を言ってるんだと言われそうですが、なにしろ有馬記念前日に行われる中山大障害を連覇していて、特に昨年はあのアップトゥデイトの魂の大逃げに対して、63キロを背負って、大障害コースを走り切った上での上り3F36.9秒で差し切り勝ち。
今の時期の中山芝コースに適性があるのは間違いないどころか、メンバー随一と言っても過言ではないでしょう。
血統的にも、中山コースにも有馬記念にも強いステイゴールド産駒で母父が有馬記念を圧勝したシンボリクリスエスですから、魅力いっぱいです。
以前とらじろさんとtwitterで会話していたように、馬場改修後は冬の中山でも全然ステゴ産駒天国になってくれないんですけどね・・・
7. だって有馬記念だもの。
もはや何の理由にもなってないですね(笑)。
でも、正直これに尽きると思うのですよね。
今年はレイデオロがここを目標にしたローテで盤石の構えなので何とも言えない部分はあるのですが・・・有馬記念というのは、基本的に荒れるレース。
(普通なら)大目標であるJCをピークに状態が落ちてきているはずのトップホースに対して、適正面や状態面で勝る伏兵陣が、トリッキーで枠順にも影響されやすい、ひとことで言うと紛れやすい中山芝2500mという舞台で一泡吹かせる。。。
そんな性質を本質的に持ったレースであることは、過去の波乱の歴史を見ても明らかでしょう。
菊花賞馬が順調に駒を進めてきた場合は比較的信頼できるのですが、今年は不参加ですし、レイデオロとて、ルメール騎手に合わせたこのローテが本当に奏功するのかどうかは分かりません。
とらじろさんが仰っていたように、好きな馬を好きなように買う。
それがこのグランプリの正しい楽しみ方と思いますし、年に1回くらい、サンタクロースに奇跡を祈って夢を買うGⅠレースがあっても良いでしょう。
ということで、しょうもない記事にお付き合い頂きありがとうございました。。。
これで本命オジュウチョウサンじゃなかったらビックリされそうですが(笑)、最終的な予想は土曜の夜か日曜の朝に。
いよいよあと2日に迫ったクリスマスイブイブ・グランプリ。
空模様を気にしつつも楽しみに待ちたいと思います。