こんにちは。
今年の日本ダービーが終わり、なんとなく脱力感のある週の始まりです。
好天のもと、「12万人」を超える観客動員、同世代の競走馬「7015頭」の頂点、と聞くと昔からのファンにとっては物足りない数字にも感じてしまいますが、それでもやはりダービーは特別ですね。
午前中のレースから謎に完成が沸き起こる独特の雰囲気は、やはりダービー・デイ特有のものです。
新たなダービー・ジョッキー、ダービー・トレーナーが生まれた第84回東京優駿。
脱力感はレース内容のせいかなぁなんて思ってしまったりもしますが、早速回顧していきたいと思います。
まずは全馬の着順、着差からです。
※予想記事はこちら
速い時計が出る馬場状態であるにも関わらず、良馬場のダービーとしては2010年に並び、過去20年で最も遅いタイムとなりました。
何となく、時計が遅い=どんな馬でも走れそうなタイム、と感じてしまうのですが、結果は1~3番人気が馬券圏内を独占。
4着が逃げた14番人気のマイスタイル、ハナ差で4番人気のアルアイン。
超スローは超スローで、馬の精神力等が要求される(逃げている馬を除いて)なんて話も聞いたりしますが、まさにその通りの結果になりましたね。
その「超スローペース」を演出したのは③マイスタイル。
ほぼ揃ったスタートからこの日は明らかに行く気を見せて前に行きました。
皐月賞では後ろから行ったので、今回もどうかなと思っていたのですが、さすがは横山典騎手。まんまと先手を奪います。
⑦アルアインも好ダッシュから2番手を窺いますが、これはできる限り押さえながらの追走。
その外から⑧トラストがようやく2番手に上がったところで1コーナーを迎えます。
距離の不安もあるので仕方ないかなぁとは思いますが、丹内騎手は全くハナを主張する気がなかったようですね。
時々思い切った大逃げで場内を沸かせることもある横山典騎手ですが、この日は徹底的な「溜め逃げ」を選択します。
ルメール騎手も「スタート後300mくらいで(ペースが)遅いと思った。」とコメントしていましたが、まさにその通り。
2、3番手の騎手たちがそのポジションで折り合いに専念してしまった1コーナーの地点で、超スローペースとなることは確定しました。
アルアインの内には①ダンビュライト、そのすぐ後ろに(なぜか)外目を回しながら⑤クリンチャー、その外には⑮ダイワキャグニー。
その1列後ろに最内④スワーヴリチャード、外に⑩ベストアプローチ、⑰ウインブライト。
そのすぐ後ろには⑥サトノアーサーで、以下一団でコーナーを回っていきます。
大外枠から、デムーロ騎手がどう捌くか注目していた⑱アドミラブルでしたが、距離ロスと折り合いを優先させたか、抑えながら内に進路を取り、後方2~3番手で1コーナーに入ります。
そして、⑫レイデオロも折り合いに専念しつつ、スムーズに内に入れて後ろから5番手辺り、インから3頭目位のポジションを追走。
すると、ルメール騎手はここで驚きの戦法にでます。
パトロールビデオで見ると良く分かるのですが、2コーナーから向こう正面に入るところで迷いなく「大外」に持ち出すと、一気に先団めがけて上がっていきます。
まるで小回りコースでの最終コーナー⇒最後の直線を見ているようで、1~2コーナーを回りながら意思決定していたのでしょう。
そのまま、下り坂を利して一気に2番手まで進出します。
有馬記念でも似たような動きを見せたので、「ルメール・スペシャル」とでも名付けられるでしょうか。
向こう正面で一気に脚を使い、先頭には立たずにもう一度押さえて直線まで我慢する。
奇しくも後ろからこれを追いかけようとした戸崎騎手と⑪ペルシアンナイトがもう1度押さえようとして折り合いを欠いていたことで良く分かりますが、簡単なことではないのでしょう。
瞬時に的確に意思決定できる判断力、ダービーという大舞台で躊躇なくそれを実行に移すことができる思い切りの良さ、馬をしっかりコントロールできる技術。
特に2番目、自らにとっても、全ての関係者にとっても一世一代の大勝負である日本ダービーで、これができるというのは本当に凄いことだと思います。
ある意味、このレースはここで決まったと言えるでしょう。
1000mは1分3秒2の超スローペースにもかかわらず、その後も12.5-12.1-12.6-12.7と、全くペースが上がらないまま3~4コーナーを回っていきます。
残り600m辺りではレイデオロが先頭に並びかけ、コーナー出口から直線にかけてはやや外目に進路を取り、一方で逃げたマイスタイルは内ラチ沿いで粘れるだけ粘る構えを取ります。
さすがに各馬の動き出しも早く、アドミラブルは3コーナーから必死に押し上げて直線は大外に。
スワーヴリチャードも残り800~600mにかけて、かなり早めに進出を開始し、直線ではスムーズに外目に持ち出します。
ここまで各馬が「楽をしてきた」展開で、ここから長い直線を目一杯に使った「ヨーイドン」の競馬に。
レイデオロが堂々と先頭で後続を突き放し、外からペルシアンナイトとスワーヴリチャードがこれを追いかけ、内ではマイスタイルが必死に粘りこみを図る展開が長く続き、後続はなかなか差を詰めることができません。
坂を上った辺りでスワーヴリチャードが一瞬先頭に並びかけるシーンもありましたが、そこからもう一度伸びたレイデオロが結局そのまま先頭ゴール。
3/4馬身という着差以上に最後「突き放された」感があったスワーヴリチャードが2着。
少し離された3着争いは、最後良く伸びたアドミラブルが意地と底力を見せて制し、写真判定になった4着・5着は逃げたマイスタイルが最後ようやく差し込んできたアルアインを制しました。
最後の3着争いは、オークスの再現のような感じでしたね。
このレースに関しては、色々な所で言われているとおり。
とにかくルメール騎手の「神騎乗」につきます。
単純な「まくり」とも違いますし、やはり「ルメールスペシャル」ですかね(笑)。
タイムや結果が平凡だっただけに、2017年のダービーはこの「神騎乗」で彼が日本のダービー・ジョッキーとなった日として、そして名伯楽・藤沢師がついにダービー・トレーナーになった日として、競馬ファンの胸に刻まれることとなりそうです。
2着のスワーヴリチャードも、3着のアドミラブルも、できる限りのことをした上で力は見せましたが、今日は彼らの日ではなかった。
それに尽きると思います。
とりわけ、ローテーション、枠順、展開全ての面で今回は「消し」と判断したアドミラブルでしたが、私の想像力を超えた強さでしたね。大変失礼しました。
2ヶ月足らずの間に7200mも走ったのですから、夏の間しっかり休養すれば秋には大きなところを狙えるのは間違いありません。
そして、後方で目立ちませんでしたがメンバー2位の上がりをマークしたサトノアーサー辺りも、まだまだこれからの馬。
秋から来年にかけて、とにかく無事に成長して、重賞戦線を盛り上げていって欲しいと思います。
そして、何のひねりもない、平凡な私の馬連も、本線で的中しました。
ただ、前週のオークス同様、明確な意思を持って切った人気馬(アドミラブル)が3着と馬券圏内に入り、4着マイスタイルはノーマーク、本命馬は2着に敗れるということで、あまり気持ちの良い的中では無かったですね。。。
同じ的中でも、◎が1着だともう気分的に全然違うのですが。
さて、これで日本ダービーが終わり、来週からは新馬戦が、雑誌やサイトではPOGが始まります。
4歳馬の降級もあり、つくづく競馬界はダービーを中心に回っているのだなぁと、この時期には実感させられます。
我々競馬ファンにとっては、来年のダービー馬を予想する長い1年が、またここから始まる感じですよね。
オークス・ダービー等のビッグレースもあり皆様の関心も高かったのか、いつの間にか当ブログのPVも300万を超えていました。
こんなブログをいつも多くの方に読んでいただき、本当に嬉しく思っています。
記念すべき100記事目も迫っていますので、今までの振り返りや、何となく初めて何となく続けてきてしまったこのブログの方向性について考えていることも、近々書いてみたいと思います。
「春競馬」という観点ではまだ全然区切りではなく、今週末には好メンバーが揃いそうな安田記念が行われます。
またまた、ルメール騎手が有力馬に騎乗しますね。
私もしっかり当てられるよう、また頑張って予想したいと思います。
本日も、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。