こんにちは。
先週と同じような感じですが、東京地方は絵に描いたような台風一過。
皮肉なほど気持の良い青空が広がっています。
こんな時期に2週続けて台風の影響を受けた大雨、という信じられない状況の中開催された今年の天皇賞(秋)。
まさかの出遅れからの勝利という、誰も想像しなかったような形で古馬王道路線主役の座を奪い返したキタサンブラック。
やはり千両役者だなぁとしみじみ感じてしまったわけですが、土曜日の2重賞も併せて振り返りたいので、さっそく回顧して参りましょう。
※日曜日の予想記事は→こちら
※土曜日の予想記事は→こちら
第156回天皇賞(秋) 回顧
まずはいつものように、全馬の着順・着差からです。
レース映像のVTRを観ていてもはっきりと聞こえてくる、叩きつけるような激しい雨の中でスタートを迎えた今年の天皇賞(秋)。
冒頭でも触れたように、今回も1番人気に支持された⑦キタサンブラックのまさかの出遅れという衝撃的な形で始まりました。
実況にもあったように、お隣の⑥ディサイファ、あと⑬グレーターロンドンに⑭サトノアラジン辺りもダッシュが付かなかったでしょうか。
もう、場内のどよめきだか雨音だか分からないような喧騒の中レースが進んでいくわけですが、一方で好スタートから戦前の予想通り勢い良くハナを奪っていったのが⑪ロードヴァンドール。
よほど内の馬場状態が悪かったのでしょう。⑪番ゲートからのスタートにも関わらず、太宰騎手はやや外に膨らむようにして大回りで最初の2コーナーに飛び込んでいきます。
①サクラアンプルールも包まれるのと馬場の悪い最内を走らされるのを嫌ったかやや外に持ち出しながら2番手で最初のコーナーへ。
同じく内から好位を取りに行くと思っていた④リアルスティールが3番手。
その後ろに内から③ネオリアリズム、⑤ヤマカツエース、⑩ミッキーロケット辺りが並び、さらに直後からは⑧レインボーライン、⑨ソウルスターリングに大外から⑱シャケトラが掛かり気味に上がっていきます。
以下、⑫ステファノスに⑯カデナ、⑰ワンアンドオンリーが続き、スタート直後から下げた⑮マカヒキと立ち遅れた⑬グレーターロンドン、⑥ディサイファ、⑭サトノアラジンが後方の位置取りで2コーナーを回っていきます。
そして、実は今名前を出さなかった2頭が他馬とは違うコース取りをするのですが、その2頭が②サトノクラウンと⑦キタサンブラック。
サトノクラウンは、スタート直後にサクラアンプルールが外に張り出してきたのとロードヴァンドール以外の内枠各馬が最短距離で2コーナーめがけて行った煽りを食って、序盤のポジション争いに乗り遅れてしまうのですが、ここで腹を括ったようにポッカリと空いたインに、それでも内1~2頭分開けるようにして、進路を取っていきます。
そして、出遅れたあとも冷静だった武豊騎手も、こうなったら距離ロスを少なくして前に取り付くしか無いと考えたのか、やや促しながらサトノクラウンの1~2馬身後ろ、さらにインコースに馬を誘導します。
2コーナーを回っていくところを映像で見ると、ちょうどキタサンブラックが内ラチ沿いで、サトノクラウンがその1列外でその他の馬群は1列分ほど開けてその外を回していくようなイメージでした。
縦の位置関係だとサトノクラウンがちょうど中団馬群の真ん中、8~9番手辺りでキタサンブラックが中団やや後ろの11番手あたりで落ち着いたかと思うのですが、向こう正面に入るまででここまでリカバリーできたのはキタサンブラックにとって非常に大きかったと思います。
向こう正面は基本的にそのまま大きな動き無く進んでいきますが、サトノクラウンとキタサンブラックは馬群の一番内側につける一方で、グレーターロンドンがただ1頭、内ラチに近いところを走って3コーナーでは3番手辺りまでポジションを押し上げていきます。
4角では一瞬先頭に立つ勢いで「おっ?」と思いますが、この馬の見せ場はここまででしたね。
そして、ちょうど3コーナーに入ったところで1000mを通過し、64.2秒という前半1000mの表示に速いのか遅いのか判断しかねていると、3~4コーナーにかけて、グレーターロンドンの後を追うようにしてキタサンブラックが一気に先団に取り付いていき、サトノクランもグレーターロンドンの外、2番手の位置までポジションを上げていきます。
・・・終始外々を回していたロードヴァンドール、サクラアンプルール辺りは、コーナーワークの差もあっていつの間にか消えていました(笑)。
そして、4コーナーを回って直線に入ったときにはグレーターロンドンの内からキタサンブラックが完全に先頭に立ち、バテたグレーターロンドンを押し退けるように馬場の良い外に進路を取りながら後続との差を拡げていきます。
結果的に2着に終わったサトノクラウンにとっては、ここで一気に出し抜けを食らってしまったのが非常に痛かったですね。
昨年のJCの時も、キタサンブラックはラスト800mからロングスパートに入り、4コーナー出口から直線に入るところ、600~400mにかけての1ハロンを11.2秒という驚異的な瞬発力で後続を引き離したのですが、当然この馬場状態でラップはぜんぜん違うでしょうが、見た目の印象としてはあの時とほぼ同じような突き放し方でした。
それを、宝塚記念以来の休み明けで、出遅れた競馬で、馬場が悪いインコースを通りながらやってのけてしまうのですから、今更ながらこの馬は本当にバケモノですね。
さすがに、JCの時と違ってここから先の400mはいっぱいいっぱいになっていたように見えましたが、追いかけるサトノクラウンも内外にヨレながらさすがにバテてしまっていましたか。
ラスト400m地点で付けられた1~2馬身の差をクビまで詰めるのが精一杯で、最後はなんとしても抜かせないというキタサンブラックの精神力も覗えるようなゴール前でした。
3着には伏兵馬・レインボーライン。
私は完全にノーマークになってしまっていましたが、馬場適正といつもよりも早め早めの位置取りが出来たのが大きかったでしょうか。
世代的にも4歳世代がやや元気がありませんでしたので、5着に入ったダービー馬のマカヒキとともに、一時は超ハイレベルとも称された世代の巻き返しに期待が持てる内容だったのではないでしょうか。
4着のリアルスティールも4角である程度内を通って4~5番手グループに取付けたのが好結果につながりました。
馬場も距離も、毎日王冠より条件が悪化していましたしシュミノー騎手が空いていたとはいえデムーロ騎手が乗れなかったのも痛かったはずで、それでもこれだけ走るのですから本当に絶好調だったのでしょう。
あとは、人気より下の着順ではありますが、個人的にソウルスターリングの6着も大健闘だったのではないかと思います。
やはり馬場が合わなかったのか、ルメール騎手をもってしても思ったような位置取りはできなかったように見受けられましたが、それでも直線しっかり差を詰めての6着。
これから先、どんな路線に進むのか分かりませんが、オークスのあの走りを見ているだけに、このまま終わってほしくはないですよね。
今後の巻き返しに期待したいと思います。
私が本命に期待したヤマカツエースは全く見せ場のない11着。
2コーナーのは入りまでは申し分ない位置取りだったと思うのですが、有力各馬が動いていった3~4コーナーで全く動けずにポジションを悪くしてしまいました。
道悪は良いと池添騎手のコメントを額面通りに受け取れば、馬場が合わなかったとのこと。
ここまで悪化して底力が問われる馬場になると、やはり力不足ということなのかな、と思います。
同じく、ステファノスも終始後方のまま回ってきただけの10着。
戸崎騎手は馬場に敗因を求めていたようですが、やはりこの馬も6歳になってこの競馬は厳しかったということでしょうか。
予想の方は、これを「的中」とはさすがに言えず、完全な負けですね。。。
何となくですが、府中の2000mを考えたときに、キタサンブラックとサトノクラウンが一緒に来るというのは想像できなかったんですよね。
スピードが問われる流れにも対応できるキタサンブラックと、スタミナ・パワー勝負なら負けないサトノクラウンと、来るならどちらかなのかな、と。
そういう意味では、菊花賞に続いて本当の底力が問われるような究極の争いになって、底力が抜けた2頭で決着したということでしょうか。
宝塚記念以来のローテーションというのも、疲れが無いという意味ではプラスに働いたのかもしれません。
ともあれ、強いキタサンブラックが帰ってきたというのは何となく喜ばしい気持ちがあるのも事実です。
冒頭で「千両役者」という表現を使いましたが、これで獲得賞金もディープを抜いたとか。
2年連続の年度代表馬の座も、これでほぼ当確でしょう。
ただ1点、心配なのは今後のローテーション。
いくら2戦目に最高のパフォーマンスを見せるキタサンブラックとはいえ、いきなりこれだけの競馬をした後に、中3週で再度輸送してきてのGⅠというのは厳しいように思います。
個人的に、昨年勝っているJCはスキップしてでも有馬で有終の美を飾って欲しいと思うのですが。。。どうなんでしょう。
(シャケトラはさすがに今回の大敗で心配になってきました・・・)
もし有馬のあと引退式とかやるのであれば、惨敗後だと微妙な空気になっちゃうんじゃないか、とか余計なことまで考えてしまいますが(笑)、いずれにしても予定通りJCに向かうのか、今後の動向には注視したいと思います。
先日、キセキがJCを目指すというとんでもない記事が出ていましたが、その2頭で決まっちゃったりしたら本当にバケモノたちですね。。。
レース後は、1年前に比べてずいぶん体調が悪そうなオーナーの様子も気になってしまった、そんな天皇賞(秋)でございました。
第6回アルテミスS 回顧
ここからはごく簡単な振り返りとさせていただきます。
ご了承下さい。
まず、土曜日の2歳牝馬GⅢ、アルテミスSからです。
こちらも全馬の着順・着差からです。
個人的に、ハズレはしたものの先週末の中で最も良い予想だったかなぁと勝手に思っているレースではあるのですが(外してる時点で良い予想じゃないだろ、という突っ込みが聞こえてきそうですが。笑)。。。
この日は午後から雨が降りはじめたものの、メインレースの時は良馬場発表でした。
ただ、レース後の各ジョッキーのコメントなどを見ていると、馬によっては気にする程度には柔らかい馬場になっていたようで、一週間前の大雨の影響もあって場所によっては実質稍重だったようなイメージでしょうか。
ルメール騎手の1番人気、⑭トーセンブレスの出遅れから始まったこのレース、逆に好スタートからハナを切ったのが13番人気の伏兵、⑥サヤカチャンでした。
このレースに関しては、とにかくこのサヤカチャンの粘りというのが波乱を読んだということで印象に残ったわけですが、レースラップが前半800m47.5秒、後半800m47.4秒ですからほぼイーブンペース。
これは難しい馬場状態の中、松岡騎手とサヤカチャンが刻んだペースが絶妙だったということなのでしょう。
ラテュロスや私の本命馬スカーレットカラーなどの好位勢も追走に微妙に脚を使わされたか最後伸びそうで伸びず、かと言って後方から脚を伸ばしてきたトロワゼトワルも前までは届かず。
そんな中、好位追走からただ1頭、違う脚で追い込んできてきっちり勝ちきった⑬ラッキーライラックの強さは際立っていましたね。
前述したように良の発表以上にソフトだったと推測される馬場をものともしない、オルフェーヴル産駒らしい非常にパワフルなフットワークでした。
同じ馬主、同じ種牡馬のロックディスタウンが次走阪神JFと明言しているので、こちらはとりあえず放牧でしょうか。
トライアルも使い分けるのでしょうし、順調なら桜花賞本番で対決が実現するものと思われますが、力の要る阪神の馬場も良さそうですし、両馬とも来春が楽しみですね。
私が本命にした9番人気のスカーレットカラーは、直線思っていたような切れを見せてはくれませんでしたが、見せ場はありましたし、大健闘でしょう。
サヤカチャンを△に押さえていたので、3着に入ってくれれば三連複10万馬券だったのですが。。。一瞬夢を見せてくれました。
ラスト200m辺りまでは②ラテュロスを交わせそうな勢いだったのですが、こちらが止まってしまったのと同時に、ラテュロスも積極策からよく頑張りましたね。
もう少し距離が伸びて、軽い馬場で見直したい1頭です。
最後の最後にスカーレットカラーを交わして4着に上がったトロワゼトワルは、前半やや掛かり気味だったのと、勝負どころでやや遅れを取ったのが痛かったですね。
福永騎手は直線で柔らかい馬場に脚を取られて躓いてしまったようなコメントを出されていましたが、額面通りに受け取れば、こちらも良馬場で見直しが必要かなと思います。
第60回スワンS 回顧
本当に簡単で申し訳ないですが、スワンSに移ります。
やはりGⅠウィークに土曜日2重賞というのはちょっと慌ただしいですね。。。
さっそく全馬の着順・着差です。
こちらは朝からの雨で重馬場発表。
先週があれだけの極悪馬場で影響も残っていたでしょうし、、引き続きAコース使用でもありましたので、相当悪い馬場状態だったと思われます。
そんな中、予想記事でも触れたのですが個人的に注目していた上がり馬、③サングレーザーが見事後方から差し切り勝ちを収めました。
正直、これはかなり驚きました。
この週末のビックリ度合いで言ったら、キタサンブラックの追い込みとどっこいどっこいかもしれません。
これも予想記事で触れたように、さすがにこの馬場で、切れ味勝負のこの馬が、しかもいきなりGⅡで勝ち切るとは思いもよりませんでした。
デビュー戦の不良馬場、ダンビュライトが勝った新馬戦が離された3着で、重馬場だった4走前の500万下がメイショウオワラの2着ですから、道悪はこなすとはいえ抜群に良いとも思えませんよね。
結果的に①~④番枠の馬が上位に来ていたように、あまりにもインを大きく開けてコーナーを回る展開が内枠の馬に向いたという面もあったのでしょうが、この日が短期免許初日だったクリスチャン・デムーロ騎手のロス無いコース取りに直線最後まで馬を動かす技術にも助けられての勝利だったかなと思います。
ようやく3歳馬が(たぶんジューヌエコール以来ですかね?)古馬相手の重賞を勝ちましたし、日曜日のカシオペアSも、キョウヘイが回避したと思いきやアメリカズカップが勝利。
来週以降もスワーヴリチャードやレイデオロが控えており、この世代にもこれで勢いがつくと良いですね。
そして、本当に惜しかったのが2着のヒルノデイバロー。
力はあるのでしょうがいつ走るのか分からない、という難しい面はありますが、3番手からうまく進めて普通なら勝っている内容ですよね。
この日は相手が悪かっということなのでしょうが、本当に惜しかったです。
この上位2頭が3着以下を離した形で、1番人気の②レッツゴードンキはなんとか3着を確保するのがやっと。
このメンバーなら上位と思っていただけにやや期待はずれでした。
もっと後ろからサングレーザーが勝ち切っているので位置取りだけの問題でもないですし、もしかしたらイメージほど芝の道悪は上手ではなかったのかもしれませんし、馬体重が大きく増えていて、使うレースもしばらく決まっていなかったように、香港に向けての一叩きという意味合いが強かったかもしれませんね。
その点でも読みが甘かったと反省してます・・・。
レッツゴードンキと僅差の①ビップライブリーも9番人気ながら頑張りましたが、先程も触れたように、このレースは先行した⑬トウショウピストに⑮ダノンメジャーを内から①~④番枠の馬が交わした形で、枠の利もあったかなと思います。
そのダノンメジャーも馬場状態を考慮した武豊騎手らしい好騎乗でしたが、さすがにこの距離は短すぎだったと思います。
馬券は、サングレーザーを消してしまってましたし、全くダメでしたね。。。
キャンベルジュニアもムーンクレストも、4角では良い位置にいたのですが、力負けという印象でした。
ということで、ざっと先週末の3重賞を振り返りました。
特に日曜日は先週に続いて極悪馬場となってしまいましたので、出走した各馬の疲労度合いや馬場の悪化が開催後半に与える影響等も注意して見ていきたいところですね。
金曜日からすぐに競馬が始まってしまうわけですが、これで秋のGⅠシーズンは最初の山場が終わり、来週は一休み。
できればこのタイミングで、新馬戦のデータ関係を一度まとめておきたいと思っています。
新馬戦ももっと多くの方に興味を持っていただきたいと思ってとらじろさんともども頑張っておりますので、またそちらもお読み頂けたら嬉しいです。
本日も、最後までお読み頂き誠にありがとうございました。